株式会社RABO 獣医師
獣医師。救急医療を中心に従事し、災害医療にも携わる。宮崎犬猫総合病院 院長、TRVA夜間救急動物医療センター副院長を経て、現在RABOに所属。Webメディア監修、獣医師や飼い主向けセミナー講演、メディア取材などでも活動。
猫はストレスに敏感な生き物です。自由気ままに生きているイメージが強い猫ですが、実際は繊細な動物です。ストレスといっても、身体にかかるストレスと気持ちにかかるストレスがありますが、今回は気持ちのストレスについてご紹介します。
人と同じく、気持ちにストレスがかかったとき、やはり体調にも変化が起きることがあります。本記事で紹介するストレス解消法を参考に、ストレスの原因への対策やケアをして快適に生活できる環境を整えましょう。
<ポイント> ・5つのストレスサインを押さえよう ・環境の変化に気をつけよう ・たくさん遊んでストレス解消。だけど構ってほしくない時もあります
詳しく見ていきましょう!
監修した専門家
株式会社RABO 獣医師
獣医師。救急医療を中心に従事し、災害医療にも携わる。宮崎犬猫総合病院 院長、TRVA夜間救急動物医療センター副院長を経て、現在RABOに所属。Webメディア監修、獣医師や飼い主向けセミナー講演、メディア取材などでも活動。
猫がストレスを抱えた際に出てくる変化を「ストレスサイン」と言います。通常と違う行動をとったり、様子がおかしかったりする場合はストレスを抱えている可能性があります。個体差があるので一概にはいえませんが、代表的な以下5つのストレスサインを覚えておきましょう!
食欲の変化
排泄状態の変化
グルーミングの増加
活動の変化
攻撃的になる
猫がストレスを抱えると、食事量に影響が出ることがあります。これは比較的あらわれやすいサインで、食欲が低下することが多いです(逆に増えることもありますが)。人も同じですが、ストレスからくる胃腸障害は一般的で、食欲だけでなく、嘔吐や下痢と同時に起こることもあります。
また、食欲だけでなく飲水量が変化することも。どちらも日々の生活にとって欠かすことのできないものではありますが、猫はおどろくほど頑固に口にしなくなったりもします。
日々の食事量や飲水量をチェックしておくと、早めにストレスサインに気づくことができますよ。
関連記事:獣医師が解説|猫が吐くときは病院に連れていく べき? 何度も続く場合は要注意
ストレスが排泄状態の変化にも現れることがあります。特に軟便や下痢は起こしやすく、お腹がよわい猫ではより注意が必要です。また、トイレ以外で粗相してしまう場合も。自分のテリトリー内に安心できない何かがあると、マーキング目的で粗相をすることがあります。また、排泄の回数や尿・便の状態も、普段とは変わることもあります。おしっこやうんちの状態、そしてタイミングを確認してみるとよいですね。
下痢については、下記記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
グルーミングは、本来毛づくろいのために行う行動ですが、ストレスが増加するとグルーミングが増えることがあります。ストレス解消法のひとつとも言えますが、過剰になると、身体の一部分だけを舐め続けることで、毛がはげてしまったり、皮膚炎を起こすこともあります。
関連記事:猫の毛づくろいは心と体のケアに不可欠。注意したい点も詳しく説明
猫の活動にも変化が起こります。普段起きているはずの時間でも寝て過ごしていたり、その逆で、眠っている時間や休んでいる時間が増えるなどの行動変化が起きることもあります。
ほかにも、突然低い声で「ミャーオ」と鳴いたり、急に走り回ったりすることもストレスサインかもしれません。
また、猫の表情にストレスが現れることもあります。猫は表情筋が人間ほど発達していないため、表情を読み取るのは難しいかもしれません。しかし、普段より目を見開いていたり、ひげを逆立てたりしていると不安やストレスを感じているサインかもしれません。
ストレスが溜まると、イライラするのは猫も人も同じ。イライラがつのって攻撃的になることもあります。触れられたくない、かまってほしくない、急に威嚇(いかく)する、引っかいたり噛んだりするというような行動も見られることがありますので、叱りつけたりせず原因がなんなのかを冷静に考えてみることも大事です。
猫がストレスを感じるシーンは、ある程度分類することができます。もちろん個体によって感じ方は違いますが、猫が何に対してストレスを感じやすいのかを知っておくだけでもよいのでご紹介します。
引っ越し
リフォーム、家具の配置変更
来客
ベッドやケージの変更
季節(気温)の変化
新しい家族の登場(赤ちゃん、新たにお迎えした猫など)
飼い主にとっては何てことのない環境の変化も、猫にはストレスになることがあります。基本的に、普段の生活と変化が起きることにストレスを感じやすいので、上記に示した例のような出来事や変化があると、ストレスを感じてしまうかもしれません。特に引っ越しは住環境ががらりとかわるためストレスになりやすく、体調を崩してしまうこともあるので、引っ越し先の近くの動物病院を探しておくのも大事ですね。
落雷
花火
上階に住む方の過剰な物音
工事
猫は人に比べて聴覚が敏感で、大きな音を嫌がることが多いです。代表的なものが雷や花火ですね。ドーンと急に大きな音が鳴り、それが連続するとストレスになりやすいです。
食事の内容が変わる、トイレ環境の変化にもストレスを感じることがあります。フードが突然変わって味やにおいが変わっているという違和感は、多くの猫が感じるようです。トイレの汚さにも敏感です。
飼い主の旅行や仕事などでの留守番
新しい猫や赤ちゃんにかかりきり
猫でもさみしいときはあります。むしろ、とびきり寂しがりやの猫もめずらしくありません。お留守番の時間が長くなったりすると「なんでかまってくれないの!」という気持ちになることもあります。
関連記事:猫は留守番できる?|快適な留守番環境を整える際に注意すべきポイントと対策方法
年末やお盆の帰省
動物病院への外出
友人宅への往訪
普段生活しているところと違う場所で過ごす、というだけでストレスになるので、ましてや動物病院はできるだけ行きたくないですよね。かといって「病院にはいかず 家にいてください!」ということも言えないのですが、ストレスを感じやすい環境だからこそ、帰宅時においしいものをあげたり、少しでも良い思い出に変えてあげるなどの工夫が大事です。
構いすぎること
お手入れ
着ぐるみ など
何がストレスになるのかはあらかじめわかるものではありませんが、要は「したくないのにさせられる」というもどかしさがストレスになるということです。
例えば、かまってほしくない時に過剰に触られたりぎゅーっと抱きしめられることや、爪切りやブラッシング、またかわいい写真とりたさに着ぐるみを着させるなどでもストレスになるかもしれません。とはいえ避けて通れないものもありますが、適度な距離感をとって暮らすのも大事ですね。
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猫が抱えているストレスは、そもそもその原因を作らないのはもちろん、以下の方法でも和らがせてあげることができるかもしれません。完全な解消は難しかったとしても、ストレス対策をするだけで猫の負担は変わります。ストレスフル?と感じた時はそっと試してみてください。
環境を整える
飼い主との触れ合いを増やす
猫が遊ぶ時間を増やす
多頭飼いの場合のケア
猫の生活環境を整えてあげることが猫のストレス解消になることがあります。大きな変化は、そのものがストレスになってしまうこともあるので、まずは寝床やトイレを清潔に保ち、プライベートにくつろげる空間を意図的に作ってあげるのも大事です。また、適度に暖かくすることや、しばらくは放置(というと言い方がわるいですが、要は「構いすぎない時間をつくる」ということが大事です)しておくのもありです。猫が安心できる環境作りをしてみましょう。
飼い主との触れ合いを増やすことも、ストレス解消になるはずです。もし、寂しい気持ちがストレスを生んでいれば、飼い主から積極的にコミュニケーションを取るといいかもしれません。猫が嫌がればかえってストレスになる可能性もありますが、猫が楽しんでいるのならたくさん触れ合ってあげられるとよいですね。
猫が遊ぶ時間を増やすことで、ストレス緩和になることもあります。精神的な満足感もさることながら、猫にとっては遊び=運動なので、1日の運動量が増えます。運動量の増加はストレス緩和に効果があることが多いです。ずっと遊んであげるわけにもいかない場合は、家の中を一工夫するのも良いです。例えば、キャットタワーやウォークスルーなど、上下運動できるものを設置することもできます。
多頭飼いのストレスの多くは、同居初日〜1週間の間にストレスを感じることが多いようです。やはり新たにお迎えした場合は警戒することの方が多く、最初はストレスを感じやすいもの。お互いに適切な距離を作ってあげるためにも、最初は部屋を分けてあげたり、ケージに入れたりして直接触れ合うことによるストレスを作らないようにするのも大事です。
また、長く暮らしていても仲よくできないという相性もあります。そうした場合では、ご飯をあげるタイミングや場所をずらしたりすることで、なるべく接触を避けるようにできると良いですね。
とはいえ、ストレス解消ができているか見分けるのは難しいですよね。Catlogなら、スマート首輪で運動時間や、ストレス指標となる毛づくろい時間をアプリで記録できます。
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ここまで猫のストレスについてご紹介してきましたが、実は猫のストレス有無を断定するのは難しいですよね。それは、病気でも同様の行動をすることがあるからです。元気がない、食べ物を吐く、おしっこをしないなどのサインが出ていれば、獣医師に診てもらいましょう。飼い主だけでストレスか病気かを判断するのは難しいことです。少しでも気になったら早めの行動を心がけましょう。
猫はストレスがかかる状態になると、猫の行動に変化が現れ、最終的に健康状態に異常をきたすケースもあります。それは食事量や水分を摂る回数もそうですが、なかなか飼い主が変化に気が付きにくい項目でもあります。運動量の変化も含めて、飼い主1人だけで管理するのも大変です。首輪型IoTデバイスのCatlog(キャトログ)なら、猫の食事量や飲水量、活動量をお手持ちのスマートフォンで管理可能。少しの変化でも気が付きやすくなるでしょう。
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Catlogアプリを実際にさわってみるCatlogアプリのデモをご体験いただくことで、実際に愛猫の行動やコンディションがどのように記録され表示されるかがイメージしていただきやすくなります。 デモ画面では、画面上での補足説明もあるため使用感を簡単にご体験いただけます。ぜひ一度お試しください。
また、トイレの下に設置するCatlog Board(キャトログボード)と組み合わせれば、より正確に猫の状態を観察できます。両方を組み合わせて猫の記録を管理し、異変がないかを追いかけるのにおすすめのツールなのです。
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Catlogアプリを実際にさわってみる猫は非常に繊細な生き物です。人間にはなんてことないことでも、猫にと っては重大なストレスになっていることもあります。行動や食事量をチェックすることで、猫がストレスを感じているかどうか判断できるので、細かくチェックしましょう。
日中、食事の観察や排泄状況を見られないという飼い主には、CatlogやCatlog Boardの導入がおすすめです。食事量や排泄量、体重の管理がスマートフォンアプリで可能になります。一日中猫を観察するのは難しいけど、猫の体調管理まで手が回らない飼い主の強い味方になるでしょう。ぜひご検討ください。
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ライター
猫様のいる暮らし編集部
2匹の猫様と一緒に暮らしています。無防備になったお腹に顔をうずめ、猫吸いをさせていただくのが至福の時間。 猫様との暮らしにまつわる情報をお届けします。
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