株式会社RABO 獣医師
獣医師。救急医療を中心に従事し、災害医療にも携わる。宮崎犬猫総合病院 院長、TRVA夜間救急動物医療センター副院長を経て、現在RABOに所属。Webメディア監修、獣医師や飼い主向けセミナー講演、メディア取材などでも活動。
猫の肥満は多く、日本ヒルズ・コルゲート株式会社が獣医師に行った調査(出典:PR TIMES「獣医師から見た「ペットの肥満」傾向調査【2008 vs 2013】」)では、獣医師の半数が「診療に来た猫の1~3割が肥満である」と答えています。
しかし、人と同様、肥満は多くの病気を引き起こす可能性があり、できるだけ適正な体型を維持することが健康管理上重要です。
猫をはじめとしたペットの体型コントロールは、飼い主だけができることです。猫が自分で太ろうとすることも痩せようとすることもありません。だから、仮に肥満になってしまったとしても、飼い主次第で、ダイエットすることだってできます。
逆に、今が適正な体型なのであれば、これから肥満にならないようにどう過ごせば良いかの参考にしてみてください。
監修した専門家
株式会社RABO 獣医師
獣医師。救急医療を中心に従事し、災害医療にも携わる。宮崎犬猫総合病院 院長、TRVA夜間救急動物医療センター副院長を経て、現在RABOに所属。Webメディア監修、獣医師や飼い主向けセミナー講演、メディア取材などでも活動。
アリアスペットクリニック 院長 / 臨床獣医師
神奈川県の地域中核病院でジェネラリストとして経験を積みながら、学会発表も行う。2019年アメリカ獣医内科学会で口頭発表。アニコムホールディングスに入社後は#stayanicomプロジェクトの中心メンバーとしてコロナ禍のペット救護に当たる。2020年から現職。得意分野は運動器疾患、猫使い(使われ)。
ここでは、猫の平均体重の目安について解説します。
猫の種類や個体によって異なるものの、猫の生後から成猫となる1歳までの体重の推移は次のようになっています。
週齢・月齢 | 体重 |
生後0週 | 100g前後 |
生後1週 | 約150~200g |
生後1ヶ月 | 約400~500g |
生後3ヶ月 | 約1.0~1.5kg |
生後12ヶ月以降 | 約3.0~5.0kg |
※出典元:猫との暮らし大百科「猫の体重はどれくらいが標準?何キロからが肥満? 」
生後12ヶ月(1歳)のときの平均体重が、成猫の目安となる体重の数値です。
ただし、この体重は一般的な猫の体重推移ですので、個々の子猫の成長や発達は異なる可能性があります。自身が飼っている猫の体重の変化について懸念がある場合は、かかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。
品種や個体差はあるものの、一般的な成猫の平均体重は次のようになっています。
品種 | オス | メス |
スコティッシュフォールド | 3.0~6.0kg | 3.0~5.0kg |
マンチカン | 3.0~6.0kg | 3.0~6.0kg |
ラグドール | 4.0~7.0kg | 4.0~6.0kg |
ノルウェージャンフォレストキャット | 3.5~6.5kg | 3.5~5.5kg |
ミヌエット | 3.0~5.0kg | 2.5~4.5kg |
ベンガル | 3.0~6.0kg | 3.0~5.0kg |
ブリティッシュショートヘア | 3.0~5.5kg | 3.0~5.0kg |
エキゾチックショートヘア | 3.0~5.5kg | 3.0~4.0kg |
メインクーン | 3.5~6.5kg | 3.0~6.0kg |
アメリカンショートヘア | 3.0~6.0kg | 3.0~5.0kg |
※出典元:猫との暮らし大百科
猫は犬と違って体格に大きな差がなく、体重の振れ幅はあまり大きくありません。もし体重を基準にするのであれば、平均体重から15~20%以上多ければ肥満の可能性があるといえます。
しかし、猫の個体差によるところが大きいので、体重だけで猫が肥満かどうかを正確に判断するのは難しいことを覚えておきましょう。
飼い猫に対して「肥満かな?」と思った際、肥満かどうかをチェックする方法について解説します。
猫が「痩せている」あるいは「太っている」といった肥満度を視覚的に判断する場合、基準として「ボディコンディションスコア(以下BCS)」と呼ばれる指標を参考にします。
BCSには体型における特徴が記載されており、獣医師もBCSを用いて「痩せ型」「標準」「肥満型」などと判断します。
出典:環境省 -「体調管理について‐ボディコンディションスコア(BCS)」
体脂肪率が20%を超えている場合も肥満と言われますが、家で正確な体重は測りにくいため、肥満気味かどうかおおよその肥満度を知りたい場合は体型で判断するといいでしょう。
肋骨が目に見えてしまっている場合(BCS1~3)は痩せすぎであり、逆に肋骨が触っても分からない場合(BCS7~9)の場合は太りすぎです。痩せすぎていても太りすぎていても猫が健康状態ではない可能性があります。
猫の体重の測り方は、猫を抱きかかえたまま体重計に乗り、計測された体重から自身の体重を差し引いて算出する方法が最も簡単かつ確実な方法です。
(1)猫を抱っこしながら体重計に乗る
(2)猫をおろして、自分自身の体重を測る
(3)上記を差し引きする :(1)-(2)=猫の体重
抱きかかえることが難しい場合は、移動用のキャリーを利用して計測し、同じようにキャリー分の重さを差し引く計測方法も有効です。
ただし、生後3ヶ月ほどで体重が1㎏未満程度の子猫であれば、キッチンにある調理用のはかり(キッチンスケール)での計測も可能です。この場合は、子猫が収まるような容器などに子猫を入れて計測すると良いでしょう。
もし、毎日猫の体重を測るのが大変なら、Catlog Board(キャトログボード)を活用しましょう。猫のトイレの下に置くタイプのIoTデバイスで、排泄でトイレに入ってきた猫の体重を記録し、連携したアプリで確認することができます。
おしっこやうんちの回数、量、トイレの滞 在時間まで自動で計測でき、飼い主の手間も減るので非常におすすめです。前述した差し引き計算をして体重を測る必要もありません。
品種や個体差はあるものの、一般的な成猫の平均体重は次のようになっています。
品種 | オス | メス |
---|---|---|
スコティッシュフォールド | 3.0~6.0kg | 3.0~5.0kg |
マンチカン | 3.0~6.0kg | 3.0~6.0kg |
ラグドール | 4.0~7.0kg | 4.0~6.0kg |
ノルウェージャンフォレストキャット | 3.5~6.5kg | 3.5~5.5kg |
ミヌエット | 3.0~5.0kg | 2.5~4.5kg |
ベンガル | 3.0~6.0kg | 3.0~5.0kg |
ブリティッシュショートヘア | 3.0~5.5kg | 3.0~5.0kg |