株式会社RABO 獣医師
獣医師。救急医療を中心に従事し、災害医療にも携わる。宮崎犬猫総合病院 院長、TRVA夜間救急動物医療センター副院長を経て、現在RABOに所属。Webメディア監修、獣医師や飼い主向けセミナー講演、メディア取材などでも活動。
子猫は泌尿器系の病気にかかりやすくデリケートなので、トイレ環境を整えてあげることは病気の予防や早期発見のためにも非常に重要です。子猫の健康を守るためにも、スムーズにトイレに行けるように配慮したいですね。
この記事では、子猫にトイレを覚えてもらうためのポイントや、トイレトレーニングがうまくいかない理由について解説します。子猫にとって最適なトイレ環境の作り方を学んでおきましょう。
監修した専門家
株式会社RABO 獣医師
獣医師。救急医療を中心に従事し、災害医療にも携わる。宮崎犬猫総合病院 院長、TRVA夜間救急動物医療センター副院長を経て、現在RABOに所属。Webメディア監修、獣医師や飼い主向けセミナー講演、メディア取材などでも活動。
動物病院勤務 獣医師
獣医師。公務員獣医師として家畜防疫、牛の改良繁殖に携わる。その後はアミカペットクリニック、アカデメイア動物病院にて小動物臨床に従事。株式会社RABOにてWebコンテンツの監修も行っている。
子猫のトイレトレーニングは、自分で用をたせるようになる生後3〜4週間ごろから始めることができます。
トイレの場所がわかれば自分からトイレで排泄できるようになるでしょう。
子猫は子犬と比較してもトイレトレーニングの習得が早く、個体差はあるものの一般的に1週間程度でできるようになります。中には、特に何も教えずとも、トイレを使ってくれる猫もいるようです。
※出典元:生まれたばかりの子猫を拾った!育て方のコツやポイントは? | 猫との暮らし大百科
子猫のトイレトレーニングの際は、以下のような順番で進めていきましょう。
【子猫のトイレトレーニング方法】
子猫のトイレサインに気付く
トイレに誘導する
成功したら褒める
トイレの存在を覚えてもらう
それぞれのステップについて、詳しく解説していきます。
まずは飼い主が、子猫がトイレに行きたがっていることに気づけるようになる必要があります。
トイレでの排泄経験がない子猫にトイレの場所を覚えてもらうためには、子猫の排泄タイミングに合わせてトイレに誘導してあげることが有効です。そのため、子猫がトイレに行きたがっているサインを飼い主が見逃さないようにしておきましょう。
猫の行動や仕草をよく見ていると、以下のようなトイレサインを見つけることができます。
床のにおいをクンクン嗅ぐ
床を引っ掻くような仕草
グルグル・ウロウロと落ち着きがない
また、トイレサインが出ていない場合でも、子猫が排泄しやすい寝起きや食後にトイレに連れていってあげて、排泄の習慣づけをしてもいいでしょう。
子猫のトイレサインに気付いたら、優しくトイレに連れて行きましょう。
ただし、トイレの位置が頻繁に変わってしまうといった些細な変化も子猫にとってはストレスになってしまうことがあるので、初めてトイレに連れていく時点で、置き場所をしっかり考慮しておくことが大切です。
猫のトイレ置き場については、以下のような場所がおすすめです。
【子猫のトイレの置き場に適した条件】
人の出入りが少ない場所
静かな場所
子猫の食事やくつろぎスペースから離れた場所
一度決めた置き場を頻繁に変えない
例えば、人の出入りが多いような場所だと気が散って用をたせない、洗濯機などの音や振動がするような場所だと驚いて しまいトイレを怖がるようになるなど、子猫はデリケートなのでトイレ置き場の位置は重要なポイントです。
トイレでうまく排泄ができたら、しっかり褒めてあげましょう。猫には同じ場所で排泄する習性があるため、何度か繰り返すうちに自然とトイレの場所を覚えてくれるようになります。
そのため、トイレに失敗することがあっても決して怒らないよう心掛けてください。
トイレでの排泄が成功したら、その場所がトイレであることを子猫に認識してもらう必要があります。
トイレの場所を覚えてもらうことや、トイレであると認識してもらうためのポイントは、排泄物のにおいを残すことです。とはいえ、猫はきれい好きなので、排泄物をそのまま放置しておくことは、衛生的にもよくないばかりか、逆効果になってしまうことも。
例えば、トイレの砂を完全に捨てるのではなく、汚れた砂を少量だけ残すようにすると効果的です。また、トイレ以外の場所で排泄してしまった場合には、尿のにおいがついたティッシュなどをトイレに置いておくと、においを残すことができるので失敗しにくくなるでしょう。
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子猫がトイレでの排泄をなかなかしてくれない、あるいは覚えてくれないときには、以下の点をチェックしましょう。
トイレに失敗したときに怒っていないか
トイレに失敗したらすぐににおいを消しているか
トイレ自体に問題はないか(場所、数、大きさ、清潔さ、トイレの種類など)
病気ではないか
まだトイレを覚えていないだけなのか、トイレを嫌がっている可能性がないかなどについて注意深く観察すると、解決もスムーズです。
子猫がトイレに失敗してしまっても、絶対に怒鳴ったり叱ったりしないでください。
子猫は叱られる理由が理解できません。そのため、トイレ以外の場所で排泄したからではなく、「排泄したこと自体」を叱られたと思ってしまう可能性があるのです。
その結果、トイレを我慢して体調をこわしたり、飼い主に隠れて排泄したりして健康管理が難しくなるかもしれません。失敗しても怒らずに、根気よくトイレトレーニングを進めていきましょう。
トイレ以外の場 所で排泄した場合、においをしっかり消す必要があります。
尿のにおいなどが残っていると、子猫はその場所を「トイレとして使ってもOK!」と勘違いしてしまい、次回も同じ場所で排泄する可能性があるからです。
ペット用の消臭剤や洗剤を使って丁寧に掃除し、徹底的ににおいを消すようにしましょう。フローリングの溝やカーペットに染み込んだにおいまで念入りに掃除するのがポイントです。
しっかり掃除をしたにもかかわらず次回も同じ場所で排泄してしまうことがあれば、その場所をトイレの設置場所にしてもいいかもしれません。
トイレの場所や個数、大きさなど、トイレ自体が適切な環境であるかどうかは、子猫にトイレを覚えてもらうためにとても大切です。
【子猫のトイレ環境のポイント】
トイレの設置場所:静かで落ち着けるか
トイレの数:猫の数+1以上
トイレの大きさ:体の1.5倍程度
衛生面:清潔
砂の種類:石系、紙系、木材系、シリカゲル系などの中から、子猫の好みに合ったもの
それぞれ適切な状態となっているか どうか、しっかり確認してください。
トイレの設置場所については、すぐそばに洗濯機などの音を立てる電化製品がないか、人や他のペットの出入りが多くないか確認することが大切です。
また、窓の近くなどは、バイクや自動車の騒音、雷、近所の犬の鳴き声などに怯えてしまい、トイレを怖がるケースもあります。
子猫にとってトイレが静かで落ち着ける場所であるか、今一度確認してみましょう。
トイレの数は、「猫の数+1」用意しておくといいでしょう。特に複数の猫を飼っている場合には、子猫にとって「自分の場所」を作ってあげると、トイレトレーニングもスムーズです。
多頭飼いの場合は、+2~3個程度を目安にトイレを設置することをおすすめします。
子猫のトイレの大きさや深さが猫の体のサイズに合っているかどうかも確認してください。
子猫のトイレは、体長の1.5倍程度の長さが理想的です。トイレから手がはみ出ているような場合は小さすぎますし、初めからあ まり大きいサイズのトイレを設置すると、子猫にとっては段差が高く、トイレがしにくくなってしまうケースもあります。
子猫の成長に合わせて、トイレのサイズをその都度確認して変えてあげるといいでしょう。
※出典元:猫が喜ぶ快適なトイレ環境とは?トイレのサイズ、形状、置き場所など…猫専門医が徹底解説!|ライオン商事株式会社
子猫はきれい好きなので、汚れているトイレでは排泄したがりません。
便はできるだけすぐ処理するようにし、最低でも1日に1回はきれいに掃除しましょう。トイレを嫌がっている猫の多くはこれで改善される可能性が高いです。
頻繁に掃除をし、排泄物をチェックする習慣をつけておけば、子猫の異常にもいち早く気付くことができるようになります。掃除する際には排泄物の色、形、においなどもよく観察してください。
砂の種類に関しては、固まる砂で、粒が小さく重い砂を好む傾向があるという研究結果もありますが、猫の好みもあるのでいろいろな種類を試 してみることをおすすめします。
また、可能であればブリーダーやペットショップ、保護主などの譲渡元から、これまで使っていた砂を分けてもらうのもいいです。子猫にとっても慣れ親しんだ砂で排泄できるため、トイレトレーニングもスムーズに進むでしょう。
膀胱炎など、泌尿器系の病気のサインがないかについても確認することが大切です。
排泄は、子猫の病気に気付くための重要なバロメーターのひとつです。トイレの回数や量、排泄物の状態について常に注意しておく必要があります。
【子猫の平均トイレ回数】
尿:1日2〜3回が目安(22ml〜30ml/kg)
便:2日1〜2回が目安
排泄の回数や量が多い・少ない、排泄物に血が混ざっていたり濁っていたりするなど気になることがあれば、早めに獣医師に相談することをおすすめします。
子猫のおしっこの量や回数は、トイレのトレーニング・しつけを始める段階から日常的にチェックする習慣をつけておくといいでしょう。
普段から排泄の回数や量などを管理しておけば、小さな変化も見つけやすいので、いち早 く病気に気付くことが可能です。
猫の健康・体調の管理には、Catlog Board(キャトログボード)がおすすめです。
毎回のトイレ入室ごとに体重、排泄量、滞在時間などを自動で記録できるCatlog Boardは、気になる兆候や小さな変化を知らせてくれます。トイレの頻度や体重などから、AIによる多頭識別も行うことができるので多頭飼いの方でも安心して使うことができます。
特に泌尿器系の病気にかかりやすい猫の場合、おしっこなどの排泄の状態をしっかり管理してあげることによって、些細な体調の変化にいち早く気づくことができるでしょう。
Catlog Boardは、子猫専用の「子猫モード」があります。
子猫モードの特長
体重のこまめな記録で、成長のようすが実感できる
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最大6ヶ月アプリ料金が無料
体重の増加は、子猫の健康の重要なバロメーターです。子猫モードで計測した成長の記録はスマートフォンのアプリで確認できるため、日々 の健康状態のチェックにご活用いただけます。小さい頃の成長記録として、見返すのも楽しいかもしれませんね。
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Catlogアプリを実際にさわってみるCatlogアプリのデモをご体験いただくことで、実際に愛猫の行動やコンディションがどのように記録され表示されるかがイメージしていただきやすくなります。 デモ画面では、画面上での補足説明もあるため使用感を簡単にご体験いただけます。ぜひ一度お試しください。
子猫のトイレトレーニングは、適切に行えば比較的に簡単にすすめることができます。
なかなか子猫がトイレを覚えてくれない場合は、トイレ環境の見直しや病気の可能性も考慮し、注意深く観察しましょう。また、子猫は泌尿器関連の病気にかかりやすいので、日頃から健康管理を徹底してあげることをおすすめします。
Catlog Boardなら、トイレの下に敷いておくだけで愛猫の行動や体重、排泄の量・回数を自動で記録。毎回体重計を使用したりする必要はありません。普段通りに過ごしながら愛猫の体調管理が可能なので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
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ライター
猫様のいる暮らし編集部
2匹の猫様と一緒に暮らしています。無防備になったお腹に顔をうずめ、猫吸いをさせていただくのが至福の時間。 猫様との暮らしにまつわる情報をお届けします。
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