株式会社RABO 獣医師
獣医師。救急医療を中心に従事し、災害医療にも携わる。宮崎犬猫総合病院 院長、TRVA夜間救急動物医療センター副院長を経て、現在RABOに所属。Webメディア監修、獣医師や飼い主向けセミナー講演、メディア取材などでも活動。
「家に戻ってみると、猫がソファにおしっこをしてしまっていた」こんな悩みをよく聞きます。たしかに、猫のおしっこは匂いが独特ですし、ソファやベッドであればなかなか洗うこともできずに困りますよね。
しつけなどには関係なく猫がトイレを失敗するようになった場合は、猫にとってなにかしらの変化が起きているかもしれません。ですので、叱ったりはせず、何が原因なのかを考えてみましょう。
原因がわかれば、次からトイレが上手くいくように導いてあげられます。トイレに失敗する原因を飼い主が汲み取って対処することで、猫も飼い主も快適な生活を送ることができるのです。
監修した専門家
株式会社RABO 獣医師
獣医師。救急医療を中心に従事し、災害医療にも携わる。宮崎犬猫総合病院 院長、TRVA夜間救急動物医療センター副院長を経て、現在RABOに所属。Webメディア監修、獣医師や飼い主向けセミナー講演、メディア取材などでも活動。
動物病院勤務 獣医師
獣医師。公務員獣医師として家畜防疫、牛の改良繁殖に携わる。その後はアミカペットクリニック、アカデメイア動物病院にて小動物臨床に従事。株式会社RABOにてWebコンテンツの監修も行っている。
それまではなんの問題もなくおしっこやうんちができていたのに、ある日突然トイレを失敗してしまうことがあります。猫のトイレトレーニングは犬よりも簡単で、ほとんどの猫が一度覚えると失敗することがないため、突然の失敗に驚いてしまう飼い主もいるでしょう。
実は猫が急にトイレを失敗する原因には、わざとトイレ以外で排尿してしまう「マーキング」や、「体調や環境などの理由」などのパターンがあります。飼い主はどのパターンで失敗しているのかを見極めることが大切なのです。
別名「スプレー行動」と呼ばれるもので、去勢前のオスに多いマーキング行動の一種です(去勢後でも行うことがあります)。不安やストレスを感じていたり、ほかの猫から刺激を受けたりするとこの行動をとります。自分をアピールするための行動で対策もありますが、ひどい場合は動物病院への相談も必要です。
決められた場所ではない場所で排泄する場合は、トイレの環境に不満があるなどの精神的な理由、健康状態に問題がある可能性があります。詳細は「」で解説しますが、対策をすれば解決できることがほとんどです。
トイレ環境に比べて健康状態はうまくコントロールできるものではありません。飼い主さんは排泄物をチェックして異変がないかや毎日のトイレの回数や量、体重、トイレの滞在時間を調べる必要があるでしょう。
Catlog Board(キャとログボード)を活用すれば、毎日の猫の排泄の回数や量、体重、トイレの滞在時間などで健康管理をすることができ、スマホアプリで一元管理が可能です。大切な猫の異変にいち早く気づくためにも、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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特にオス猫は縄張り意識があるため、テリトリーに自分のにおいをつけるために「マーキング」をすることがあります。マーキングとは、通常の排泄とは違い、少ない尿量を、尾を立てた姿で噴射する行動です。「スプレー行動」と呼ばれるもので、その場所ににおいがついてしまうと、トイレの失敗の原因につながる可能性があります。マーキングをしたら、その場所を水や消臭スプレーを使ってきれいに掃除するなどし、においが残らないようにすることが大事です。
マーキングで一番多い理由は、未去勢のオスが発情行動としてするものです。特にメスと一緒に生活しているオスに多く見られ、メスの気を引くために行います。また、強い不安を抱えていたり、かまってほしかったりするときにマーキングをすることもあります。後者の場合はメスでも行う場合があるので、メスの猫だからマーキングをしないとは限りません。
生後6ヵ月程度を目処に去勢をすることが一般的ですが、去勢をしたからといって必ずマーキングをしなくなるわけでもありません。特に去勢のタイミングが遅いと、マーキングの抑制ができないこともあります。時期を逃さなかったとしても、猫の欲求不満や環境の変化ですることもあります。マーキングを止めるためには、マーキングした場所を掃除してにおいを消したり、アルミホイルなどの猫が嫌がるものでカバーしたり、マーキングをする原因を取り除いたりするなどの対象が必要です。
掃除をして原因を取り除いてもマーキングが止まらない場合は、ほかに何か根本的な理由があるかもしれません。獣医師に相談してみるのも良いでしょう。
ただ、年齢を重ねてもずっと残り続けるという ことは少ないようです。「いずれ無くなる」ことが多いので、永遠ではないという点も頭の隅に置いておくと良いですね。
※出典元:花王 猫と暮らすお役立ち情報「Q 猫のスプレー行為が続く」
CatlogのLINE公式アカウントでは、トイレの失敗・マーキングのことから病気や暮らしのことまで、LINEで無料相談受付中です。 下記のように、飼い主様のお悩みやピンポイントに知りたいことに獣医師や猫のスペシャリストが丁寧に回答いたしますので、お気軽にご相談ください。
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猫がトイレで失敗する(上手く排泄できない)原因は、主に次のとおりです。
【猫がトイレで失敗する理由】
トイレの環境に問題がある
猫がストレスや不安を抱えている
別の場所をトイレだと認識してしまっている
猫が高齢で筋力が弱っている
病気により失敗してしまう
トイレの大きさが合っていなかったり、砂の質感が気に入らなかったりして猫がトイレを気に入っていない可能性が あります。
また、猫はきれい好きな動物です。うんちなどの排泄物が残っていたり、においがきつかったりするとトイレを嫌がることもあります。多頭飼いしている場合には猫の中でも力関係ができてしまい、トイレに近づけない猫が出てくるかもしれません。
猫はトイレとその周辺の環境にこだわりが強いため、トイレ環境に問題がないかは必ず確認しましょう。砂が変わったり、場所が変わったりした後に排泄がうまくできない場合は、猫がトイレを気に入っていない可能性があります。また、多頭飼いしている場合は、猫の数+1でトイレを準備できているか、猫ごとに適したトイレを設置するなどの対策ができているかといった確認も必要です。
全米猫獣医協会(AAFP)や国際猫学会(ISFM)では、猫がトイレ内で悠々とターンできるくらいの広いトイレを推奨しています。とはいえ日本の住環境で大きなトイレを置くというのは難しい部分もあるかもしれませんが、すこしゆとりをもったトイレ選びをしてみることをおすすめします。また、子猫の時はぴったりのサイズだったとしても、成長して窮屈になってくる場合もあるので、身体のサイズに合わせてサイズを大きくすることも大切です。
猫は排泄する場所に安心感を求めます。ほかの猫やペットがいる環境であったり、来客があったりするとトイレを使いたがらなくなり失敗する場合があります。また、トイレに入っているときに雷などの大きな音や振動を察知してストレスを感じると、同じようにトイレを使いたがらなくなってしまうことがあります。飼い主が不在の時にトイレを失敗してしまう猫がいるのも、不安が原因となっている場合があります。引越しなどで環境が変わったタイミングで失敗するようになった場合、環境の変化がストレスになっていることが考えられます。
猫がストレスや不安を感じるものがないか、環境に変わった点がないかを確認しましょう。チェックポイントは次の項目を参考にしてください。
【チェックポイント】
来客や雷など、強いストレスがかかるような出来事がなかったか
他の猫・ペットとの関係(多頭飼いの場合)
トイレ周辺で大きな物音や振動を感じるものはないか
飼い主の長期不在や引っ越しなどの環境の変化で猫を不安にさせていないか
トイレが汚れていないか(清潔か)
一度粗相(そそう)をした場所に繰り返し排泄するようであれば、わざとではなく「ここでトイレをしてもいいんだ」と認識してしまっている可能性があります。原因は、前に粗相をした部分のにおいが取り切れていないことにあるかもしれません。猫はとても鼻がきくので、人間の鼻ではにおわなくても念入りに掃除・洗濯するようにすると良いです。
また、羽毛布団やビーズクッションの上など、質感が気に入ったものをトイレと認識してしまっている場合もあります。こちらもにおいが残らないようにしっかりと掃除・洗濯をしましょう。
人間と同じく、猫も老化により色々なところが衰えてきます。膀胱や尿道の筋肉が弱ってくると、猫の意思とは関係なくおしっこやうんちをしてしまったり、トイレに間に合わなくなったり、おしっこの切れが悪くてこぼしてしまうこともあります。
足腰が弱ってくると、若いころには気にならなかったトイレの段差がハードルになることも。
トイレを買い替えたり、スロープ(坂道)をつけてあげたり、(ストレスにならなければ)おむつをしたり、介護の気持ちで寄り添い、獣医師に相談するようにしましょう。
病気が原因のこともあります。猫は泌尿器系にトラブルを抱えることが多くあり、それが原因でトイレを失敗してしまうことも少なくありません。
トイレの回数や量、排泄後の行動をよく観察し、異常を感じたらすぐに獣医師に相談しましょう。
猫が膀胱炎になるとおしっこの回数が増え、我慢できずにトイレではないところでおしっこをしてしまうこともあります。これは、おしっこが少しでもたまると、炎症により膀胱が刺激されるため、すぐに排泄したくなってしまうからです。
膀胱炎は、おしっこの回数のほかに、色も重要です。少し赤みがかっていれば、「血尿」の可能性があります。こうした気づきがあれば、動物病院に相談しましょう。
猫のトイレの回数については、別の記事でも解説していますので参考にしてください。
「多飲多尿」といって、たくさん水を飲んでたくさんおしっこをする症状は、腎不全や糖尿病でよくみられます。通常時の2倍以上の尿量になるほど増えることもあり、トイレまで我慢ができずに途中でしてしまうなどの場合もあるかもしれません。
猫がトイレで失敗しない(上手く排泄する)ための対策方法は次のとおりです。
【猫がトイレで失敗しないための対策】
トイレを清潔に保つ
におい消しをこまめにする
猫の居住環境をなるべく変えない
猫の排泄の量や回数をチェックする
猫はトイレの環境にこだわりが強く、清潔でないトイレでは排泄をしたがらないことがあります。飼い主は猫がトイレを嫌がらないためにも、最低でも1日に2回はトイレの掃除をしましょう。可能であれば排泄のたびに掃除することが望ましいです。排泄物を取り除いたり、猫砂を足したりして掃除をし、猫にトイレを清潔な場所だと思ってもらえるようにしましょう。
また、トイレの環境も次の項目を参考に整えてあげまし ょう。
【トイレ環境のポイント】
トイレの設置場所を急に変えるようなことは避ける
少し身体が隠せるような場所に設置する
猫が使いやすいトイレ環境を整える(大きさ、出入りのしやすさ)
猫の好みに合った猫砂を使用する
トイレを失敗してしまったときはにおい消しを忘れずにしましょう。一度粗相をした場所ににおいが残っていると、猫はその場所をトイレと認識してしまい、同じ場所で排泄するようになってしまいます。掃除を徹底するだけではにおいが取り切れないこともあるので、におい消しはこまめにしましょう。
逆に、正しいトイレの場所を教えるために、おしっこのついた猫砂を少し残しておくと良いこともあります。
猫は環境変化に敏感で、些細なことでもストレスを感じやすい動物です。「猫は家に懐く」の言葉もあるように、猫がお気に入りの場所は、なるべく変えないことも大切です。
具体的には、引っ越し、模様替え、寝床、トイレ、食事の場所など、過ごし慣れた環境を突然変えてしまうと、ストレスを感じることが多いです。また、長期間飼い主が不在となってしまうことにも、不安を感じる場合があります。徐々に慣れてもらうことでストレスや不安を軽減できるので、環境を変える必要があるときは徐々に行い、留守番の練習は短時間から始めるなど、猫の気持ちをケアしながらゆっくりと慣れてもらいましょう。
老化や病気が原因で粗相をしてしまう場合は、猫の排泄そのものに異変が生じます。飼い主は、猫の変化にすぐに気が付くことができるように、排出物の量や回数を毎日チェックすることを習慣化しましょう。
例えばトイレ掃除の際に、排泄物のチェックをする習慣をつけると一石二鳥です。仕事などの関係で、毎日ずっと猫のようすを見守ることができない飼い主もいるでしょう。できれば猫が排泄する度にチェックができるといいのですが、難しい場合はトイレ掃除のときにしっかりチェックするようにしましょう。
猫のトイレの失敗や成功などを毎日見逃さずに把握するのは難しいところです。そんなときにおすすめなのが、猫の健康を見守るCatlog Board(キャトログボード)です。
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Catlogアプリを実際にさわってみる猫がトイレを失敗する原因はさまざまです。ある日突然失敗するようになったら、トイレ環境か猫自体に問題が起きている可能性を疑い、対策を講じましょう。
しかし、トイレ環境に比べて健康状態はうまくコントロールできるものではありません。飼い主さんは排泄物をチェックして異変がないかを調べることなどが主になるでしょう。
Catlog Boardを活用すれば、毎日の猫の排泄の回数や量、体重、トイレの滞在時間などで健康管理をすることができ、スマホアプリで一元管理が可能です。大切な猫の異変にいち早く気づき、健康で幸せな日々を送ってもらうためにも、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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ライター
猫様のいる暮らし編集部
2匹の猫様と一緒に暮らしています。無防備になったお腹に顔をうずめ、猫吸いをさせていただくのが至福の時間。 猫様との暮らしにまつわる情報をお届けします。
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