株式会社RABO 獣医師
獣医師。救急医療を中心に従事し、災害医療にも携わる。宮崎犬猫総合病院 院長、TRVA夜間救急動物医療センター副院長を経て、現在RABOに所属。Webメディア監修、獣医師や飼い主向けセミナー講演、メディア取材などでも活動。
先に結論からご紹介すると、猫がトイレに行かない原因は下記です。
トイレの環境に問題がある
猫がストレスや不安を抱えている
他の場所で排泄してしまっている
水を飲む量が足りない
病気の可能性がある
特に、トイレに行ってもおしっこやうんちが出ない場合、「尿道閉塞」という結石が詰まる病気や「便秘」や「下痢」の可能性があるため、早めに獣医師に相談することをおすすめします。
そして、猫がトイレに行かないときの対処法は下記の通りです。
トイレの環境を見直す
猫のストレスや不安を取り除く
猫が水を飲めるように工夫をする
子猫の場合は排泄のサポートをする
おなかのマッサージをしてあげる
トイレの大きさや猫砂の種類を変えたり、トイレそのものを清潔に保つことが重要です。 また、水を飲む量が少ないと排泄回数が減ることもあるため、猫が水を飲みやすいように工夫してみましょう。
本記事では、猫の平均的なトイレ回数からトイレに行かない原因、対処法までを解説します。愛猫の健康管理にも役立つ情報となっていますので、ぜひ参考にしてください。
監修した専門家
株式会社RABO 獣医師
獣医師。救急医療を中心に従事し、災害医療にも携わる。宮崎犬猫総合病院 院長、TRVA夜間救急動物医療センター副院長を経て、現在RABOに所属。Webメディア監修、獣医師や飼い主向けセミナー講演、メディア取材などでも活動。
ご自身の愛猫が一日に何回トイレにいくかわかりますか? ここでは健康な猫のおしっことうんちの回数と頻度について説明します。
一般的に、健康な猫は1日に2~3回おしっこをします。 日々のおしっこ回数を把握しておくことで、異常に早く気づくことができます。
たとえば、1日1回もおしっこが出ていない場合は泌尿器トラブルの可能性があるため、早めに獣医師に相談しましょう。 逆に、1日に5回以上少量のおしっこをしている場合は頻尿のサインです。 膀胱炎や腎臓の病気の可能性もあるため、この場合も早期受診を検討してください。
うんちは1日1回が目安ですが、猫によっては1~2日出ないこともあります。 食事内容や体調の変化により頻度が変わるため、普段の排便ペースを知っておくと安心です。
ただし、3日以上うんちが出ていない場合は便秘が疑われ、腸のトラブルや脱水が原因となることもあるので要注意です。 逆にうんちはしているけど、下痢の場合は消化管などに問題がある場合があります。 便秘でも下痢でも、何度もうんちをしようとする仕草が見られる場合、獣医師に相談しましょう。
子猫は便秘になるとお腹が張り、嘔吐や食欲不 振を起こすことがあり、特に注意が必要です。
子猫の場合、1日~2日うんちが出ていない場合は、念のため早めに動物病院に相談すると安心です。
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猫がトイレ行かない原因として考えられる主なものは、以下のとおりです。
【猫がトイレに行かない原因】
トイレの環境に問題がある
猫がストレスや不安を抱えている
他の場所で排泄してしまっている
水を飲む量が足りない
病気の可能性がある
猫はトイレの環境に敏感な生き物です。 トイレを使ってくれていない場合は、猫にとって快適なトイレ環境になっているかを確認してみましょう。
猫はきれい好きなため、トイレが汚れていたり、トイレの周辺が騒がしかったり、トイレのサイズが適していなかったりすると、使いたがらないこともあります。 結果としてトイレを我慢したり、ほかの場所で粗相をしたりしてしまうことも。トイレを使ってくれていないようであれば、まずは快適なトイレ環境になっているかを確認しましょう。
トイレの大きさや猫砂の種類が猫に有っていないと、猫がトイレを使用しない原因となることがあります。 理想的なトイレサイズや猫砂を猫の好みに合ったものを選んであげましょう。
猫はストレスや不安が原因でトイレに行かなくなることがあります。 何か猫にとってストレスとなっているモノがないかを確認しましょう。よくあるストレスの原因を下記 に記載していますのでチェックしてみてください。
引っ越しや部屋の模様替えなど、住環境が変わると猫は強いストレスを感じます。 猫は馴染みのある場所や匂いに安心を感じる生き物のため、見知らぬ環境に移ることで不安が高まり、トイレを避ける行動が見られることがあります。
新しいペットや家族が増えることも猫にとってストレスの原因になります。特にテリトリー意識が強い猫は、新しい存在を脅威と感じ、落ち着きがなくなる場合があります。この不安が原因でトイレを避ける行動や、粗相といったストレスサインが出ることもあります。
猫は音や振動に敏感なため、トイレの近くで大きな音や頻繁な振動があると、安心して排泄ができなくなります。 テレビや洗濯機、掃除機の音などがトイレの近くで聞こえると、猫がトイレを避ける原因になります。
複数の猫を飼っている場合、他の猫がトイレを使う事で自分のテリトリーが侵されていると感じ、ストレスを感じることがあります。 特にトイレを共有する環境では、他の猫と鉢合わせることを避けるためにトイレを使わなくなるケースもあります。
トイレの失敗、いわゆる粗相(そそう)をしてしまっている状態です。 お家にやってきたばかりでトイレの場所を理解できていなかったりすることもあれば、トイレ環境が気に入らずあえて他の場所でおしっこしてしまうことも。 もし粗相をしてしまったら、においを消すまでしっかり掃除するのが大事です。においが残っていると「ここでおしっこをしても良いんだ」と勘違いして、準備してあるトイレで排泄しなくなってしまうこともあります。 トイレの使い勝手や猫砂の相性の問題も考えられるので、原因を探ってみることをおすすめします。
粗相については、更に詳しく記事にしておりますので参考にしてみてください。
猫は本来砂漠の生き物でもあるため、病気でなくとも水を飲む量が少なくなりがちです。 しかし、あまりにも水を飲む量が少ないとトイレに行かなくなることもあります。
水飲み場を猫の数+1以上設置してあげるのも効果的です。
個体差があると記載した飲水量については目安を解説しているので気になる方はこちらもチェックしてみてください。
猫は膀胱炎や腎臓病などの泌尿器系のトラブルが多い生き物です。
下痢や嘔吐、便秘などの消化器系のトラブルもしばしば起こします。何度もトイレに行く、トイレに行っても排泄しない、長期間トイレに行っていない場合は、どれくらいトイレに行っていないのかを確かめてください。 同時に、ほかの症状(元気、食欲、水飲み、嘔吐など)がないか、トイレ以外の場所で排泄していないかも確認をしてください。 もしトイレ以外でも排泄してない場合は、異常のサインかもしれません。速やかに獣医師による診察を受けましょう。
1日に5回以上少量のおしっこをする場合、頻尿の可能性があり、膀胱炎や腎臓病などの泌尿器トラブルが考えられます。頻尿が疑われる場合は早めに獣医師に相談しましょう。
トイレに長く滞在して排泄しない場合の危険性
猫がトイレに長時間滞在し、排泄できない様子が見られる場合は、「尿道閉塞」や「膀胱炎」などが原因である可能性があります。特に尿道閉塞は緊急性が高いため、すぐに動物病院で診察を受けましょう。うんちが出ない「便秘」は、それほど緊急性はありませんが、いずれも早めに獣医師に相談する事をお勧めします。
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猫がトイレに行かない場合、その原因を探って対処してあげることが大切です。 以下の対処法を試してみてください。
【猫がトイレに行かないときの対処法】
トイレの環境を見直す
猫のストレスや不安を取り除く
猫が水を飲めるように工夫をする
子猫の場合は排泄のサポートをする
おなかのマッサージをしてあげる
動物病院へ相談する
トイレの環境を変えて改善する場合もあります。
まず、見直してほしいトイレ環境は3つです。
・トイレのサイズや猫砂の選択
猫はトイレの大きさや猫砂の質に敏感です。トイレが狭すぎると窮屈に感じたり、猫砂の質やにおいが好みに合わないとトイレを避ける原因になります。 理想的なトイレサイズは猫の体長の1.5倍です。猫砂も猫の好みに合わせてあげてみましょう。
・トイレの清潔さの確認
猫は非常にきれい好きな動物で、トイレが汚れていると使用を避けます。 排泄のたびにトイレを掃除する習慣をつけ、清潔を保つことで猫がトイレを快適に使えるようにしましょう。
・トイレの設置場所の見直し
猫は静かで落ち着いた場所を好むため、トイレの周りが騒がしかったり頻繁に人が通る場所だと避けることがあります。理想的な設置場所は、猫が安心できる静かスペースです。 一軒家では、使用頻度の少ない部屋の隅などもおすすめです。 トイレの置き場所を少しずつずらしたり、新しい場所にトイレを設置してみることも効果的です。
猫がストレスや不安を抱えている場合は、それがトイレを避ける原因となっていることがあります。以下の対処ポイントを参考に猫にとって安心できる場所を整えてストレスを緩和させてあげてください。
・環境の変化によるストレス
引っ越しや模様替え、新しい家族、ペットの追加など、環境の変化は猫にとって大きなストレス要因です。 新しい環境に慣れるまで時間がかかる場合もあるため、猫が安心して過ごせる静かなスペースや隠れる場所を作り、ゆっくりと慣れさせてあげましょう。
・騒音や刺激を避けた環境つくり
猫は物音や動きに非常に敏感で、騒がしい環境は不安の原因になります。 トイレはできるだけ音や人通りなどの刺激が少ない場所に配置すると、落ち着いてトイレを使いやすくなります。
環境の変化が大きい場合は、猫のペースに合わせて慣れるまで待ってあげるのも方法のひとつです。
水分補給が少ない場合は猫が水を飲みやすくするのも大事です。 猫の水分補給をサポートできる対処法を確認してみましょう。
・複数の水飲み場の設置
猫は水を飲む量が少ないため、複数場所に水飲み場を設置することで自然と飲水量が増えやすくなります。猫の数に対して+1以上の水飲み場を用意してみてください。
・給水器やウェットフードの活用
給水器を使って流れる水を提供すると、流れる水を好み猫が飲みやすくなります。また、缶詰めなどのウェットフードを取り入れる事で食事からも水分を補給でき、飲水量が少ない猫のサポートにもなります。
子猫や老猫の場合、飼い主による排泄のサポートが必要な場合もあります。
・子猫や老猫のトイレサインの観察
自分ひとりで排泄することが難しい場合は、トイレに行きたい仕草、いわゆるトイレサインを飼い主が察知して連れて行ってあげるといいでしょう。
・トイレの高さや使いやすさの工夫
トイレの縁が高すぎると子猫や老猫にとってデイルが難しくなるため、低めのトイレを使用するか、出入りしやすいように工夫をしてあげてください。
子猫のトイレに関しては、以下の記事でも解説しています。
主に排便がうまくいっていないときは、猫のおなかをマッサージしてあげましょう。マッサージの方法と注意点をご紹介します。
・便秘の時のお腹のマッサージ方法
うんちがうまくいかない時は、猫のお腹を優しくマッサージして腸の動きを促すと便秘解消に効果的です。強く押さずに軽くなでる程度でマッサージしてあげてください。 また、嫌がる場合は痛みがあるのかもし れません。絶対に無理に行わないでください。
・子猫へのマッサージの注意点
特に子猫はマッサージによりうんちが促される場合があるため、うんちやおしっこがうまくいかない時には優しくなでてサポートしましょう。
マッサージは効果的ではありますが、成猫であれば3日以上、子猫であれば1~2日出ていないのであれば、自己判断せずに動物病院で相談しましょう。
もし上記の方法を試しても効果が見られなければ、動物病院へ相談をしましょう。トイレに行かないだけではなく、トイレしてないのであれば、病気の可能性もあります。異常を感じたら自力で何とかしようとせず、獣医師に相談するようにしてください。
便秘は緊急性がないとお伝えしていますが、便秘になりやすい猫の特徴をお伝えします。 ご自身の猫ちゃんが体質的に便秘になりやすいかチェックしてみてください。
・ちょっとぽっちゃりの子
肥満気味の猫は腸の動きが鈍くなり、便秘になりやすい傾向にあります。日頃から体重管理をして、運動も取り入れてあげると良いでしょう。
・あまり動かない子
運動が少ないと腸の動きも鈍くなりがちです。猫じゃらしやおもちゃで遊ぶ時間を確保してあげると、腸が動きやすくなります。
・慢性病の影響
腎臓病や甲状腺疾患がある猫は、脱水しやすく便が硬くなりがちです。水分を良く取れるようにサポートしてあげましょう。
・シニア猫
年をとると腸の動きが弱くなるため、便秘のリスクが高まります。特に7歳以上の子は、便が出ているか日々チェックしてあげると安心です。
・猫の便秘の許容日数と注意点
健康な 成猫のうんちは1~2日が目安ですが、3日以上続く場合は獣医師の診察を受ける事が望ましいです。
特に子猫の場合は便秘が1~2日続くと危険なため、早めに対処が必要です。
・便秘予防のための日常ケア
水分補給や適度な運動、繊維質を含む食事を取り入れることで、便秘を予防することができます。 ウェットフードで水分を補ったり、猫じゃらしなどで遊んであげる時間を確保するのも効果的です。ウェットフードを取り入れた場合は、飲水量が少なくなりますがフードから摂取できているので心配しなくて大丈夫です。
猫種によっても膀胱炎になりやすい猫ちゃんはいますが、膀胱炎になりやすい、繰り返しやすい猫の特徴をお伝えします。
・ストレスを感じやすい子
環境の変化や新しい家族、騒音などでストレスを受けやすい猫は、膀胱炎になりやすい傾向があります。ストレスが膀胱の炎症を引き起こすことがあるため、できるだけ穏やかな環境をととのえてあげましょう。
・ちょっとぽっちゃりの子
肥満気味の猫は運動不足になりやすく、代謝が落ちて膀胱炎になりやすい傾向があります。日頃から体重管理をして、たくさん遊んであげると予防になりますよ。
・水をあまり飲まない子
水分摂取量が少ないと、膀胱に負担がかかります。特にドライフードを中心に食べている猫は水分不足になりがちなので、ウェットフードを取り入れたり、飲み場を増やしてあげたりしてみてください。
・シニア猫
年齢が上がると免疫力が落ち、膀胱のトラブルも増えます。シニア猫は特に水分補給を意識して、おしっこの様子を日々チェックしてあげましょう。
・膀胱炎のサインと注意点
頻繁にトイレに行くけれど少量しか出ない、排尿時に痛がる、血尿がある場合は膀胱炎 の可能性があります。こうした症状が見られたら、早めに獣医師の診察を受けるのが望ましいです。
・日常のケアで予防
水分補給をしっかりさせるために、飲み水を数か所に置いたり、流れる水が出るウォーターファウンテンを設置するのも効果的です。また、ストレスを感じやすい猫には安心できる隠れ場所を作ったり、落ち着いた環境で過ごせるよう工夫してあげましょう。
トイレの状態から健康管理できるのはわかっていても、常にチェックするのもなかなか大変ですよね。そんな時に役に立つのがトイレの下に置くだけのIoTデバイスのCatlog Board(キャトログボード)です。
おしっこやうんちの回数・量や体重などのデータの管理をスマホアプリで行うことができ、排泄リズムを把握することが可能です。体重や排泄の推移に変化があった場合にはアプリを通して飼い主にお知らせします。普段使用しているトイレの下に設置するだけなので使い方は簡単。乾電池式なので、置き場所にも困りません。
あわせて食事量や水を飲む量も把握できる首輪型IoTデバイスのCatlog(キャトログ)も使えば、さらに細やかな猫の健康管理が可能になります。
猫がトイレに行かない理由はさまざまです。飼い主はどうしても心配になってしまいますが、まずは環境の整備から始めてみましょう。それでも効果がなければ病気の可能性もあるので、動物病院へ相談しましょう。体調がおかしいと感じたら、すぐに相談することをおすすめします。
普段から猫の健康管理をこまめにしたいのなら、Catlog Boardを使いましょう。飼い主だけでは判断できない異常にいち早く気が付けます。
大切な愛猫の異変に早く気が付くためにも、ぜひご検討ください。
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ライター
猫様のいる暮らし編集部
2匹の猫様と一緒に暮らしています。無防備になったお腹に顔をうずめ、猫吸いをさせていただくのが至福の時間。 猫様との暮らしにまつわる情報をお届けします。
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