株式会社RABO 獣医師
獣医師。救急医療を中心に従事し、災害医療にも携わる。宮崎犬猫総合病院 院長、TRVA夜間救急動物医療センター副院長を経て、現在RABOに所属。Webメディア監修、獣医師や飼い主向けセミナー講演、メディア取材などでも活動。
「Catlog」シリーズを利用いただいている猫様から取得・蓄積された行動ログデータを活用した研究機関「Catlog総合研究所(Catlog総研)」。2022年2月22日「猫の日」を記念し、Catlog総研では3日連続で新しいレポートを公開しています。2日目の本日は、Catlogご利用猫様が普段お召し上がりのご飯事情から、ご飯種別での水飲み回数についてみていきます。
監修した専門家
株式会社RABO 獣医師
獣医師。救急医療を中心に従事し、災害医療にも携わる。宮崎犬猫総合病院 院長、TRVA夜間救急動物医療センター副院長を経て、現在RABOに所属。Webメディア監修、獣医師や飼い主向けセミナー講演、メディア取材などでも活動。
Catlogアプリでは、「猫食事」画面にて猫様が普段お召し上がりのご飯を登録することができます。猫様のご飯には、大きく「ドライフード」と「ウェットフード」の2種類がありますが、Catlogの登録データから、ドライフードとウェットフード、日常的にどちらを多くお召し上がりの猫様が多いのかみてみました。
※今回の調査では、ドライフードを「製品水分10%程度以下のフード」、それ以外のフードをウェットフードと定義しています。
「どちらが多いか」という観点でみてみると、95.5%の猫様がドライフードをメインに召し上がっており、4.5%の猫様がウェットフードをメインに召し上がっているようです。
年齢別にみてみると、以下のグラフのようになります。12歳の猫様になると「ウェットフードの方が多く食べる」率が上がることがわかります。 年齢が上がると、ド ライフードを食べることが難しくなったり、体重をキープするためなどの理由で、嗜好性の高いウェットフードを食べているのかもしれません。
しかしながら、ドライ100%もしくはウェット100%ではなく、それぞれ混ぜているというおうちも多いのではないでしょうか。社内の猫様メンバーでも、カリカリの上にカツオ味のウェットフードを混ぜて食べるという猫様がいらっしゃいます。
「ドライのみ」「ドライとウェット混合」「ウェットのみ」に分けて見てみました。
すると、一番多かったのは「ドライのみ(64.6%)」、続いて「ドライとウェット混合(32.7%)」、最も少数派なのは「ウェットのみ(2.7%)」となりました。
皆様、おやつなどでウェットタイプのものもお召し上がりかと思いますが、日常的にはドライフードがメインの猫様が多いようです。
さて、皆様「ウェットフードはご飯に水分が含まれているから、ウェットフードを与えると水飲み量が減る」といったことを聞いたことはありませんか?
今回、Catlogで猫様が普段お召し上がりのご飯が判明したので、同じくCatlogで取得した水飲み回数と比較を行ってみました。
グラフから明らかなように、「ドライのみ」「ドライとウェット混合」「ウェットのみ」の順で、水飲み回数が減っています。この結果から、ウェットフードを食事として摂取することは、猫様の水分補給には役立っている、と言えそうです。
関連記事:猫が上手に水分補給できる方法|水を飲まないときの対処方法も紹介
今回の調査で、ウェットフードの摂取は猫様の水分補給に役立っていることがわかりました。お召し上がりのご飯によって水飲みの回数には変動があるようですので、健康管理の視点でいうのであれば他の猫様と比べるよりも「自分の猫様の通常時と変化がないか」をみられると良いでしょう。例えば猫様のかかりやすい泌尿器系の疾病では、水飲みとおしっこが増える「多飲多尿」の状態になることもあります。いつもとちょっと違うな、という際には、お早めに動物病院に行くようにしていただければ幸いです。
また、もし食事を変えていないにもかかわらず猫様の水飲み回数が減っている場合や、猫様が水を飲まなくて困っている場合はウェットフードへの変更を検討するといいかもしれません。
※ただし、ウェットフードだけでは歯科疾患が増えるという報告もあります。水分は水分で摂取できる環境も整えてくださいね。
猫様の健康記録を日々みながら、このように毎日小さなケアを行えるといいですね。
明日は「性別でのトイレ事情の違い」についてお届けします。お楽しみに!
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ライター
Catlog総合研究所
「Catlog」シリーズを利用いただいている猫様から取得・蓄積された行動ログデータや体重・排泄データなどを活用した研究機関。 猫様の行動や習性をよりよく理解するきっかけとなる研究データをお届けしてまいります。
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