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Catlog総研 第5回レポーティング !日本哺乳類学会での発表内容をご紹介

Catlog総研 第5回レポーティング !日本哺乳類学会での発表内容をご紹介

Catlog総研
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8月26日(金)-29日(月)に開催された日本哺乳類学会2022年度大会において、Catlog総研のAnimal Data Scientistでありバイオロギング研究者である渡辺伸一氏が『1.5万匹のイエネコの行動をCatlogで見る』と題した発表をオンラインで行いました。 CatlogとCatlog Boardから収集した膨大なデータをもとに猫様の行動の個体差や季節変化を調べた内容を発表しました。当日は、速報値をもとに発表タイトルを『1.7万匹のイエネコの行動をCatlogで見る』と一部変更して発表しました。発表内容の多くは、これまでのCRIレポーティングをまとめたものですが、ここでは新たな発見について紹介します。

監修した専門家

渡辺 伸一

渡辺 伸一

イリオモテヤマネコの研究で博士号(琉球大学大学院理工学研究科)を取得。イエネコに世界で初めてデータロガーを付けたことが自慢。南極のペンギン類からアフリカのチーターの研究などを経て、現在は、瀬戸内海に棲むさまざまな動物を対象にバイオロギング研究を続けている。RABOでは、動物研究者の目線から機械学習チームの開発をサポートしている。

毛づくろい時間は季節によって変わる?

第1回のレポーティングで、猫種によって毛づくろい時間に差があることを報告しました。では、同じ猫様でも毛づくろい時間は季節によって変化するのでしょうか?いまのような暑い時期に、毛づくろい時間は増える、あるいは減るのでしょうか?猫様ごとに毛づくろいの時間をスコア化(毛づくろいスコア)して、年間の平均値から毛づくろい時間が長いか、短いかを月ごとに比べました。

毛づくろい時間の月変化

結果をみると、5月から7月にかけて毛づくろい時間は短くなり、8月以降にまた長くなるようです。猫様は冬の前後に年2回の換毛期があると言われていますが、春から夏は毛が少なくなるため、毛づくろい時間が減少するのかもしれません。

冬は見た目にも変化があるくらいモフモフ度が増す分、毛づくろいにかかる時間も増えるのかもしれないですね。

飼い主さんの在宅時間が与える影響は?平日と週末で比較!

同じく第1回のレポーティングでは、猫様の寝る時間が季節によって変わることも報告しました。猫様の行動に影響を与えるものとしては、季節以外にも、飼い主さんの在宅時間なども考えられます。

飼い主さんの在宅状況によって猫様の睡眠時間に影響があるか、曜日ごとに見てみましょう。

曜日ごとの睡眠時間

猫様の睡眠時間を曜日ごとに比べると、平日に比べて土日に睡眠時間が30分ほど短くなるようです。飼い主さんの多くが平日にお仕事をし、土日にお休みがあると仮定すると、これは飼い主さんが土日に在宅する時間が長いために猫様の活動時間が長くなったからだ、と考えることができます。また、月曜日の睡眠時間が最も長いのは週末の寝不足の解消なのかもしれません。

新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限で、猫様の生活にも影響があった?

曜日による違い以上に、飼い主さんの在宅時間に大きな影響を与えたと考えられるのが、新型コロナウイルス感染症による活動制限でしょう。新型コロナウイルス感染症が日本に上陸してから、猫様の睡眠時間は変化したのでしょうか?2020年1月から7月にかけて、ほぼ毎日のログが記録できた129猫様の毎日の睡眠時間をスコア化して、その変動を調べました。

2020年1月~7月の睡眠時間スコア

国内で感染が広がりはじめた2020年2月と、第1波の感染のピークが現れ、全国に緊急事態宣言が発令された4月に猫様の睡眠時間が大きく減少しています。これは、外出制限により飼い主さんの在宅時間が長くなったことが原因かもしれません。

新型コロナウイルスによる私たちの生活様式の変化は、猫様方にも影響を与えていたことが伺えます。

Catlogで猫様の個性を評価する

上記のような猫様の全体的な特徴を理解するだけでなく、Catlogのデータを使うと猫様の行動の個性(個体差)を評価することができます。

同じ時期に記録された約5,000猫様のデータをもとに猫様の行動の個体差を調べました。以下の図は、横軸に「運動」と縦軸に「食べる・水飲み」に関するスコアを年齢クラスごとに調べたものです。図中のそれぞれの楕円の中心が年齢別の典型的な個体の特徴を表しています。この図から、若い猫様ほど運動スコアが高く(横軸の右側へ分布する)、年齢を重ねるごとに運動スコアが低くなる(横軸の左側へ分布する)ことがわかります。

また、若い個体(0歳齢)と高齢個体(15歳以上)では、それぞれの楕円が大きく、ばらつき(猫様の個体差)が大きくなることがわかります。

年齢クラスごとの行動個体差

哺乳類に限らず生物学の研究では、ある生物種や集団の典型的な特徴を調べるというのが一般的です。例えば、これまでのバイオロギング研究では、南極に棲む1万羽のペンギンの繁殖コロニーから、10羽のペンギンにデータロガーを付けて、その10羽のデータの平均値をその繁殖コロニーの特徴としていました。人と同様に、動物にもそれぞれ個性があります。しかし、さまざまな動物の個性をそれぞれ記録することは、技術的に困難でした。Catlog総研では、1万匹以上の猫様の行動をCatlogで記録して、その個性を理解した上で、イエネコという種全体の特徴を明らかにすることに挑戦しています。

世界最大(60億件)の猫様データベースの活用

バイオロギングが発展した現在、動物の集団の特徴を理解するために、研究者間でバイオロギングデータを共有するデータベースの整備が進んでいます。しかし、多様化したバイオロギングデバイスに対応することが大きな課題でした。

Catlog総研では、Catlogという統一したデバイスを用いて膨大なバイオロギングデータの収集を可能にしました。これまでに収集したデータ量(60億件!)は、全世界のバイオロギングデータベースと比較しても、最大規模のものです。研究者ではなく、バイオロギングを必要としているお客様と猫様のご協力によって収集されたCatlogの行動ログデータは、イエネコのみならず、類似した特徴を持つ野生ネコ科の研究や保全など、様々な研究へと発展する可能性があります。 日本哺乳類学会で聴講していただいた方々からは、さまざまなご意見をいただくことができました。

今後も、幅広い多くの皆様に役立てていただける有用な参考データを提供していきたいと思います。

なお、Catlog総研による研究データをご利用の際は、「提供元:Catlog総研」とクレジットの明記をお願いいたします。

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ライター

Catlog総合研究所

Catlog総合研究所

「Catlog」シリーズを利用いただいている猫様から取得・蓄積された行動ログデータや体重・排泄データなどを活用した研究機関。 猫様の行動や習性をよりよく理解するきっかけとなる研究データをお届けしてまいります。

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RABO, Inc.
Chief Cat Officer ブリ丸