株式会社RABO 獣医師
獣医師。救急医療を中心に従事し、災害医療にも携わる。宮崎犬猫総合病院 院長、TRVA夜間救急動物医療センター副院長を経て、現在RABOに所属。Webメディア監修、獣医師や飼い主向けセミナー講演、メディア取材などでも活動。
この度、株式会社RABOでは自社が開発する猫様専用IoTサービス「Catlog」シリーズを利用いただいている猫様から取得・蓄積された行動ログデータを活用した研究機関「Catlog総合研究所(Catlog総研)」の設立を発表いたしました。今回はCatlog総研の第1回レポーティングとして、猫様の気になる!データをいくつか調べてみました。行動の理由や習性など、猫様をもっとよく理解するきっかけになれば幸いです。
監修した専門家
株式会社RABO 獣医師
獣医師。救急医療を中心に従事し、災害医療にも携わる。宮崎犬猫総合病院 院長、TRVA夜間救急動物医療センター副院長を経て、現在RABOに所属。Webメディア監修、獣医師や飼い主向けセミナー講演、メディア取材などでも活動。
猫様はよく寝ていることから「寝子」=「ねこ」という名前がついた、という説を聞いたことはありませんか?実際に一緒に暮らしてみると、確かに寝ていることが多い猫様。「いっつも寝てるなあ」なんて思ったことがある人もいらっしゃると思います。
そこで今回はそんな猫様の睡眠事情を、Catlogで取得した行動データから分析してみました!
猫様はみな良く寝ていらっしゃいますが、特に年齢の高い猫様は寝ている時間が多いイメージです。年齢による睡眠時間の差異は結構あるのかもしれません。実際にCatlogをご利用の猫様の平均睡眠時間を年齢別に見てみました!
想像通り、やはり年齢が高くなるにつれて睡眠時間も長くなるようです。体力の低下に応じて睡眠時間が長くなることは容易に想像できますし、当然の結果とも言えます。
それにしても、どの年齢を見ても本当に睡眠時間が長い!これは確かに「寝子」様ですね…!
月毎の睡眠時間も見てみました。ポカポカと暖かい春は、猫様も日向ぼっこを楽しみながらうとうとしている姿を良く見かけませんか?猫様もやっぱり春にたくさん寝るのでしょうか。
確かに月によって睡眠時間は異なるようですが、猫様が一番良く寝ているのは春ではなく冬のようです!言われてみれば、冬はお布団などにくるまって寝る猫様の姿をみることも多いかもしれません。どうして冬に睡眠時間が多いのでしょうか。関連しそうな理由を追加で調査してみました!
調査を続けてみたところ、どうやら睡眠時間は日長時間と逆の相関関係にあるようです。太陽の隠れている時間が長ければ睡眠時間も短く、短ければ睡眠時間も長くなるようです。
本来、猫様は「薄明薄暮性」という、薄らと暗い時間に活動が活発になる習性があります。そのため野生では冬の方が睡眠時間が短く、活動時間が長くなると言われています。
もしかすると、明るい時間帯に活動するニンゲンと生活を共にすることによって、猫様の行 動や習性にも変化があるのかもしれません。
関連記事:猫の睡眠時間は16時間!長時間眠る理由や気にすべきサインを解説!
先ほど睡眠時間は年齢が上がるにつれ長くなることがわかりましたが、反対に運動時間はどうでしょうか?おもちゃでもなんでも興味津々!元気いっぱいな子猫様の方が運動時間は多いのではと予想できますが、実際にCatlogで取得した行動データから見てみましょう。
年齢別の1日あたりの平均運動時間を分析した結果がこちら。
予想通り年齢が若い方が運動時間も多い結果になりました。その中でも0~2歳未満の猫様の運動時間は圧倒的です。貴重な子猫時代には、是非飼い主さんもご愛猫様と遊ぶ時間を楽しんでください!
次に、猫様の特徴的な行動のひとつ「毛づくろい」について調べてみました。猫様はとっても綺麗好きな動物だと言われており、毛づくろいにもとても熱心に取り組まれます。特に長毛の猫様とお暮らしのみなさま、「ずっと毛づくろいして るなあ…」と思ったことはありませんか?ニンゲンも髪の毛が長いとケアに時間がかかるように、猫様も毛の長さに応じて毛づくろいの時間に差があるかもしれません。
Catlogアプリでは、ご利用の猫様の猫種を選択することができます。今回は、登録数が多い10猫種の猫様を短毛・短毛&長毛・長毛に分類し、比較を行うことにしました。
結果は以下のとおり!
予想通り長毛種の方が全体的に毛づくろい時間が長めの傾向があるようです。しかし、短毛種のベンガル、短毛&長毛が混在するマンチカンも毛づくろいに多くの時間をかけており、毛の長さだけでなく、猫種によっても差が出ることがわかりました。
短毛種と長毛種のどちらの猫様ともお暮らしの飼い主さんは、是非比べてみてくださいませ。
猫様の行動や習性についてももちろんですが、猫様とお暮らしのみにゃさまは健康に関わるデータも気になるのではないでしょうか。
猫様は泌尿器系トラブルにかかりやすいと言われており、その中でも例えば腎臓病の主症状には「多飲多尿」が挙げられます。
実際にCatlog Boardで取得できるおしっこの量を年齢別平均で見てみると、8歳から徐々に平均が 高くなり、16歳以上では平均が0~7歳の倍以上になっています。