株式会社RABO 獣医師
獣医師。救急医療を中心に従事し、災害医療にも携わる。宮崎犬猫総合病院 院長、TRVA夜間救急動物医療センター副院長を経て、現在RABOに所属。Webメディア監修、獣医師や飼い主向けセミナー講演、メディア取材などでも活動。
猫に首輪をしようとして「ぷい」とされた経験のある飼い主は少なくないはず。完全室内飼いであれば首輪をする必要性は高くないですが、実は猫の首輪は万が一のときに重要な役割を果たしてくれます。
そして、猫が首輪を嫌がるのにはいくつかの理由があります。その理由をひとつずつ解決して、お守りとしても首輪を嫌がらずにつけてもらえるようにしましょう。
監修した専門家
株式会社RABO 獣医師
獣医師。救急医療を中心に従事し、災害医療にも携わる。宮崎犬猫総合病院 院長、TRVA夜間救急動物医療センター副院長を経て、現在RABOに所属。Webメディア監修、獣医師や飼い主向けセミナー講演、メディア取材などでも活動。
動物病院勤務 獣医師
獣医師。公務員獣医師として家畜防疫、牛の改良繁殖に携わる。その後はアミカペットクリニック、アカデメイア動物病院にて小動物臨床に従事。株式会社RABOにてWebコンテンツの監修も行っている。
結論から言うと、首輪をする「必要」はありませんが、首輪をつけておいた方が良いことはたくさんあります。それは、首輪には役割があるからです。もちろん、「かわいいから」とおしゃれでつける場合もありますが、それ以外にも理由があります。
多頭飼いしている場合、どの子なのかをわかりやすくする
外出する猫を屋外でもすぐに自分の飼い猫と判別できるようにする
多頭飼いの場合、顔だけで判別することもできますが、数が増えてくると背中越しで瞬時に判断するのは難しいところ。首輪の色や形状ですぐに判断することができます。
外出する猫の場合、外で判断するのはさらに難しくなりますし、「飼い猫ですよ」ということを周囲に知らせる意味もあります。(基本的には室内飼育が推奨されます)
家の中のどこにいるか、首輪に鈴を付けて把握する
首輪に電話番号等の迷子札をつける
猫は忍者のように音を立てずに歩き、狭いところにも入っていきます。家の中の死角になる場所を好む猫も多く、どこにいるかわかるように鈴をつける方も多いですね。
万が一、脱走してしまうことがあっても、首輪にネームタグなどをつければ、迷子の際に引き取りやすくなるメリットもあります。
災害時に飼い主の特定が早くなる可能性がある
首輪を手掛かりに猫を探すことができる
災害時に猫が脱走する、または同行避難ができない、などの理由で一時的に一緒にいられない状態が生じるケースはよくあります。実際、熊本大震災の時は、飼い猫なのか元からいた地域猫なのかわからない猫が道路を歩いているといった情報は多く寄せられました。
首輪をしているだけで「飼い猫である」ということがわかりますし、ネームタグなどに電話番号を載せておくことで保護された後に引き取ることができる可能性はずっと上がります。
食事量や運動量をチェックできる首輪もある
猫の異変にいち早く気が付くことができる
首輪の中には猫の健康管理ができるものがあります。Catlog(キャトログ)もそのひとつで、首輪型のデバイスによって日々の健康状態をアプリでチェックすることができます。歩く、寝る、食べる、毛づくろいなど他種の行動が把握でき「今なにをしているか」がわかると同時に、これらの推移を体調として捉え、人の目では判断しづらい身体のトラブルをアラートでお知らせします。
¥13,640
愛猫のコンディションを手軽に把握!データも残る!
Catlogの詳細はこちら\ 【無料】登録やログインも不要 /
Catlogアプリを実際にさわってみるCatlogアプリのデモをご体験いただくことで、実際に愛猫の行動やコンディションがどのように記録され表示されるかがイメージしていただきやすくなります。 デモ画面では、画面上での補足説明もあるため使用感を簡単にご体験いただけます。ぜひ一度お試しください。
だからといって猫が気持ちよくつけてくれるとは限りませんよね。猫が首輪を嫌がる主な理由は次のとおりです。
【猫が首輪を嫌がる理由】
首輪が怖い・首輪に慣れていない
首輪の素材が合っていない
首輪のサイズが合っていない
首輪が重い
首輪の鈴を嫌がる
首輪の飾りやチャームを嫌がる
首輪のにおいを嫌がる
エリザベスカラーが嫌だった
猫が首輪を嫌がるのは、理由がひとつの場合もあれば複合的な場合もあります。比較的子猫の方が首輪に対して慣れやすいものですが、もし嫌がるのであればこれらに当てはまっているのかもしれません。
もっともオーソドックスな理由です。猫は、動物的な習性から身体に異物がつくことを嫌がりやすく、首輪も例外ではありません。
もちろん、怖いとまでは思わずとも、単純に「慣れていない」「初めてだから」という理由もあるでしょう。怖がっているのに無理やり首輪をつけてしまうと恐怖心から暴れてしまったり、パニックを起こしてしまったりすることもあります。どうしても嫌がってしまうときは、ストレスにならないようにいったん首輪を外してあげましょう。
首輪による違和 感(痛みやかゆみなど)を感じることで、嫌がる場合もあります。例えば、素材によっては毛と絡まりやすく、違和感が増長されることもあるでしょう。それだけでなく、素材にアレルギーを起こすこともあります。かゆみや首輪ハゲの原因につながるため、そのような場合は、オーガニックな素材を選ぶのをおすすめします。ナイロンや革製品(合皮含む)などの固い素材や、摩擦が強い素材も違和感を感じやすいです。柔らかくてさらさらとした素材の首輪にすることで、すんなりつけてくれることもあります。最初は、緩めで柔らかいヘアゴムなどで練習してみるのもいいでしょう。
猫の首輪のサイズは、装着後に人の指が2本入る程度のものを選びましょう。これよりも小さいときついかもしれません。首輪周辺が蒸れたり、苦しいこともあります。逆に大きすぎる場合は、首のまわりで常にぶらぶらするためストレスに感じたり、何かに引っかかって事故につながる可能性もあります。ゆとりも必要ですが、大きすぎないちょうどいいサイズに調節することがベストです。
猫用の首輪として販売されていても、猫がつけるには重すぎるものも中にはあります。さらに、装飾が多 かったり、金属製の迷子札を首輪につけたりすることで重くなってしまう場合も。それだけでなく、重さがあるほど摩擦が強まるため、毛が抜けやすくなり首輪ハゲの原因になることもあります。
猫といえば鈴!というのは国民的アニメの影響でしょうか。しかし、鈴が猫にとって快適かどうかは別問題です。
確かに、鈴がついていると飼い主にとっては猫の居場所がわかるので大変便利です。しかし、猫の聴覚は人間の数万倍も敏感とも言われており、鈴が首元で常になることがストレスになりやすく、嫌がる場合も少なくありません。人間の耳で聞こえる以上に鈴の音がうるさく思えているのかもしれません。鈴を外すことも方法のひとつですが、鈴の素材を変えて解決することもあります。
首輪そのものではなく、リボンなど首輪についている飾りやチャームを嫌がることもあります。他にも迷子札やワンポイントのペンダントがついていると、歩くたびにプラプラと揺れるため、邪魔だと感じて嫌がる猫もいます。鈴と同様、音がして嫌だと感じている場合もありますし、重たいと感じている可能性もあります。
市販されているノミ取り首輪のにおいを嫌がって首輪をしたがらない猫もします。
「ノミ取り」と書いてはいますが、実際には「医薬部外品」であり、ノミを完全に除去できるわけではないので効果はあまり期待しない方が良いです。その上、誤飲すると中毒を起こすこともあります。市販されているノミ取り首輪は、警鐘を鳴らす獣医師も多く、動物病院でも推奨されることはあまりありません。
避妊や去勢を行ったあと、病院で「エリザベスカラー」をもらったことはないでしょうか?傷口を舐めないようにする、エリマキトカゲのようなものですが、心理的にはかなり負担になる猫も多いので、その頃の記憶で反射的に首輪を嫌がる場合もあります。
前述の通り首輪によるメリットは多くあります。それでも猫が首輪を嫌がってつけてもらえない時の対策・トレーニング方法をご紹介します。もちろん、首輪を極度に嫌がっている場合には、無理してつけることが大きなストレスになりますので、猫の様子を見ながらにしてくださいね。
【猫が首輪を嫌がる時の対策・トレーニング方法】
最初は短時間から始める
楽しく遊んで気をそらす
はじめから長時間つけっぱなしにしようと考えるのではなく、首輪に対する抵抗をなくすためのトレーニング期間を設けましょう。徐々に慣れていくことで首輪を嫌がることがなくなり、そのうち気にせず身に着けてくれるようになります。また、日頃のスキンシップで首元を触れるようにすることも、効果があるかもしれません。
いきなり長時間つけるのではなく、30分〜数時間だけつけ、その後外してあげる。何度か繰り返すうちに、徐々に慣れてくるようになります。子猫のうちから慣れてもらう場合も同様です。自分で外そうとしていたり、嫌がったりしたら、無理に続けず、一度外してあげましょう。「時間が経ったらもう一度つけて、嫌がったら外す」を繰り返すことで徐々に首輪に慣れさせてあげると負担が少なく始められます。
首輪から注意をそらしてしまうのも効果的です。楽しく遊んでいると猫は首輪から別のことに注意が向きやすいので、猫じゃらしなどのおもちゃで遊んだり、おやつを食べてもらったりして、首輪へ嫌悪感から気をそらしましょう。いつの間にか、首輪をつけていることを忘れてくれるはずです。
CatlogのLINE公式アカウントでは、猫の首輪のことから、病気や暮らしのことまで、LINEで無料相談受付中です。 下記のように、飼い主様のお悩みやピンポイントに知りたいことに獣医師や猫のスペシャリストが丁寧に回答いたしますので、お気軽にご相談ください。