Catlog総研 第17回レポーティング!ワンちゃんの行動データを初公開!猫様とワンちゃんの年齢と睡眠パターンの変化

Catlog総研 第17回レポーティング!ワンちゃんの行動データを初公開!猫様とワンちゃんの年齢と睡眠パターンの変化

Catlog総研
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Catlogの販売開始から6年目となる2026年、”犬専用”首輪型ヘルスモニター『Pawlinq(パウリンク)』を、2月24日に発売します。

Catlogと同様、愛犬と1分1秒でも長く一緒にいて、健やかで幸せな生活を送りたい。その願いを叶えるために、Pawlinqを開発してきました。これまでCatlogをご利用いただいてきた約6万猫様から得られた行動データによって培われたCatlogの技術とノウハウを、すべての愛犬家にご活用いただけます。

今回のCatlog総研ではPawlinqの発売を記念し、猫様にとってもワンちゃんにとっても生活に重要な要素である睡眠に注目した記事をお届けします。前半では、Catlogローンチ当初から5年以上継続的にご利用されている猫様の行動データを分析。年齢を重ねるにつれて変化する猫様の睡眠パターンについて調べました。そして、Pawlinqの開発の中で得られたワンちゃんの睡眠データについても、合わせてご紹介します。


監修した専門家

Soshi Tanabe(@beeyan)

Soshi Tanabe(@beeyan)

博士(理学)。京都大学大学院理学研究科生物科学専攻を修了後、製薬会社にて研究職(非臨床安全性評価)に従事し、2023年4月にRABO入社。これまでに、神経科学及び毒性学領域(主にin vivo)での画像、行動、及び生体データを対象とした統計解析及び機械学習の技術開発を経験。猫様も好きだし、サルも好き。

渡辺 伸一

渡辺 伸一

イリオモテヤマネコの研究で博士号(琉球大学大学院理工学研究科)を取得。イエネコに世界で初めてデータロガーを付けたことが自慢。南極のペンギン類からアフリカのチーターの研究などを経て、現在は、瀬戸内海に棲むさまざまな動物を対象にバイオロギング研究を続けている。RABOでは、動物研究者の目線から機械学習チームの開発をサポートしている。


年齢を重ねるにつれて変化する猫様の睡眠パターン

猫様は、一日の大半を寝て過ごす動物です。猫様は明け方と夕暮れに活発に活動する薄明薄暮型の日周性を持ち、一日の中で短い睡眠を細切れにとるのが特徴です。過去のCatlog総研でも触れたように、年齢を重ねるにつれてこの睡眠パターンは少しずつ変化していきます。具体的には、一日あたりの合計睡眠時間は年齢とともに長くなり、高齢になるほど短い睡眠の回数が増えるという傾向が見られます。

今回のCatlog総研では、この年齢に伴う睡眠パターンの変化をより具体的に調べるために、Catlogを5年以上にわたってご利用いただいている猫様の長期的な睡眠データを収集し、猫様の睡眠が年齢とともにどのように変わっていくのかを、さらに詳しく分析しました。

歳を重ねるとともに小さくなる、猫様の睡眠の「メリハリ」

まず、年齢による睡眠パターンの大まかな傾向を掴むため、1日24時間を1時間ごとに区切り、各時間帯での睡眠時間が占める割合を年齢別に分析しました。

※図17-1. Catlogを5年以上継続的に利用されている猫様のデータを抽出し、1時間中に含まれる睡眠時間の占める割合(%)について、年齢別・時刻別の平均値を算出。

第11回のCatlog総研で見てきたように、いずれの年齢の猫様も深夜と昼間では睡眠の割合が高く、朝や夕方から夜にかけて少なくなり、おおよそ薄明薄暮性に近いことが分かります(図17-1)。そして、年齢別の違いを見ると、若い時は、睡眠が多い時間帯と睡眠が少ない時間帯の睡眠割合の差がはっきりしているのに対し、年齢を重ねるにつれてその差は小さくなることが分かります。これは、猫様が年齢を重ねるにつれて、単に寝ている時間が増えるというだけでなく、起きている時間の質やまとまり方が変わっていくことで、飼い主さんがいつ見ても寝ているように見え、猫様の睡眠のメリハリが無くなっていくことを示唆しています。

では、このような睡眠時間や睡眠のメリハリの変化は何歳頃から生じるのでしょうか?これを調べるため、1日あたりの平均睡眠時間のほか、24時間での睡眠割合を猫様ごとに算出し、その最大値と最小値の差(睡眠振幅)をメリハリの指標として分析しました(図17-2)。

※図17-2. 睡眠振幅の算出方法。1時間ごとに含まれる睡眠時間の割合(%)を算出し、24時間中の最大値と最小値の差を睡眠振幅として算出。

その結果、1日あたりの平均睡眠時間は猫様の年齢と正の相関を示し、年齢が1歳増えるにつれ1日あたり18分睡眠時間が増えることが分かりました(図17-3左)。一方で、睡眠振幅については猫様の年齢と強い負の相関を示しました(図17-3右)。このことから、猫様の睡眠パターンの変化は特定の年齢から生じるものではなく、若い頃から睡眠のメリハリは着実に小さくなり、睡眠時間も長くなると考えることができます。

※図17-3. 1日あたりの平均睡眠時間(左)及び睡眠振幅(右)と年齢の相関関係。猫様ごとに、各年齢における1日あたりの平均睡眠時間または睡眠振幅をプロットし、回帰直線を赤線で描出。

飼い主さんの生活も猫様の睡眠のメリハリに影響する?

このような睡眠のメリハリの変化は年齢の他にどのようなものの影響を受けるでしょうか?その一つとして、飼い主さんの生活が猫様の睡眠のメリハリに影響を与えることを示唆するデータをお示しします。

図17-4はCatlogのChief Cat Officer(CCO)であるブリ丸氏とCCOアシスタントであるおでん氏の過去5年の1日あたりの平均睡眠時間と睡眠振幅の年齢別推移を表しています。これを見ると、1日あたりの睡眠時間は比較的コンスタントに増加している(図17-4左)一方で、睡眠振幅については2020年から2021年にかけて一過性に大きく下がる傾向が2猫様に共通して見られる(図17-4右)ことがわかります。

※図17-4. ブリ丸氏(青)とおでん氏(オレンジ)の過去5年の1日あたりの平均睡眠時間(左)及び睡眠振幅(右)の年別推移。それぞれの猫様について、各年の折れ線上部に当該年の満年齢を記載。

この時期は2020年から2021年に合致し、新型コロナウイルスのパンデミックに伴い在宅時間が増加していた時期と重なります。このことから、飼い主さんの在宅時間が長いと睡眠のメリハリは大きく、在宅時間が短くなると睡眠のメリハリも小さくなると考えられます。猫様の睡眠は、飼い主さんの暮らし方とも強く結びついていることが改めてうかがえます。

Pawlinqで取得したワンちゃんの睡眠データをご紹介!猫様と似ているワンちゃんの睡眠パターン!

最後に、Pawlinqで取得できるワンちゃんの睡眠データについてご紹介します。ワンちゃんでの睡眠パターンを調べるために、Pawlinqで取得された睡眠データについて、猫様と同様、24時間を1時間ごとに区切り、各時間帯での睡眠時間が占める割合を年齢別に分析しました。なおこのデータは、Pawlinqの開発に先駆けて実施したデータ収集にご協力いただいたワンちゃんのうち、約180匹のワンちゃんから取得された睡眠データとなります

※図17-5. Pawlinqの開発に先駆けて実施したデータ収集に参加されたワンちゃんの1ヶ月分のデータを抽出し、1時間中に含まれる睡眠時間の占める割合(%)について、年齢別・時刻別の平均値を算出。

その結果、猫様と同様、深夜と昼間では睡眠の割合が高く、朝や夕方から夜にかけて少なくなる薄明薄暮性に近いパターンが認められました(図17-5)。過去に活動量計を用いた先行研究(文献1)では、ワンちゃんは明け方と夕方に活動量が高く、深夜やお昼の時間帯では活動量が低下することが報告されており、猫様と同様の薄明薄暮性を有すると言われています。今回分析した睡眠パターンを見ても、ワンちゃんと猫様はいずれも深夜と昼間では睡眠の割合が高く、朝や夕方から夜にかけて少なくなり、睡眠パターンが似ています。その他にも、年齢や性別によってこの活動パターンが異なること(文献1)や、飼い主さんの在宅状況によって活動パターンが変化することも報告されています(文献2)。今回の分析ではデータ量の制約によりこのような差については調べられてはいませんが、今後、データが積み重なるにつれ、猫様との睡眠との違いや性別や犬種による違い等も明らかになっていくと思われます。

終わりに

今回の分析から、若い時から猫様の睡眠パターンは少しずつ変化しているということや、飼い主さんの在宅状況に応じて猫様の睡眠パターンが大きく変わることが分かりました。睡眠時間は、1年で大きく変わるわけではありません。睡眠のメリハリも、劇的に崩れるわけではありません。けれどもデータを積み重ねてみると、猫様もワンちゃんも、毎日ほんの少しずつ、確実に変化し続けていることが分かります。

飼い主さんの目には「いつも通り」に見えても、昨日と今日、今日と明日では、睡眠の量もリズムも、ほんのわずかに違っています。その小さな積み重ねが、やがて大きな変化になります。だからこそ私たちは、CatlogやPawlinqを通して、飼い主さんの目に見えない変化への気づきをデータを通して示すことに価値がある と考えています。

変化が穏やかだからこそ、1日でも多く、1分1秒でも長く、充実した時間を重ねてほしい。それがCatlog、そしてPawlinqに込めた想いです。飼い主の皆様には、愛猫と愛犬とより豊かに過ごすために、引き続きCatlogとPawlinqをご活用いただければ幸いです。

引用文献

  1. Woods HJ, et al. (2020) “A functional linear modeling approach to sleep–wake cycles in dogs” Scientific Reports, 10(1), 22233: https://doi.org/10.1038/s41598-020-79274-2
  2. Piccione G, et al. (2013) “Effect of housing conditions and owner’s schedule on daily total locomotor activity in dogs (Canis familiaris)” Biological Rhythm Research, 44(5), 778–786: https://doi.org/10.1080/09291016.2012.756254

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ライター

Catlog総合研究所

Catlog総合研究所

「Catlog」シリーズを利用いただいている猫様から取得・蓄積された行動ログデータや体重・排泄データなどを活用した研究機関。 猫様の行動や習性をよりよく理解するきっかけとなる研究データをお届けしてまいります。


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