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RABOの共創文化: お客さまの声に技術で応えるチームの挑戦

RABOの共創文化: お客さまの声に技術で応えるチームの挑戦

プロダクトチーム
最終更新日: 公開日:

2024年1月に新発売となったCatlog Boardの第二世代「Catlog Board 2」。RABOのハードウェアチームとカスタマーサポートチームが日々協力して挑戦を乗り越え、お客さまのフィードバックを直接製品改善に活かしていくカルチャーをご紹介します。

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Hayato Saido

組み込みソフトウェアエンジニア。ハードウェアもやる。SSDコントローラや、研究機関向けの信号処理装置などのFPGA回路や周辺のソフトウェアの開発経験後、重工メーカーにてFPGAへの機械学習実装などをやっていた。ハードウェアとソフトウェアの境界の泥臭いプリミティブな感じが好き。猫様みたいな犬(!)と暮らしている。

ついに世に出た、第二世代モデル「Catlog Board 2」!

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― はじめに、おふたりの自己紹介と社内での役割、RABOにジョインすることになった動機などを教えて下さい。

@saido: 二度目の登場となりました組み込みエンジニアの@saidoです(笑) 2021年にRABOに入社しました。私がRABOの一員になろうと思ったのは、ある日Twitterで見かけたCatlogについての話題がバズっていたことが最初のきっかけです。その話題を追っているうちに、たまたまRABOが募集をかけているのを見つけて、すぐに興味を持ちました。技術を使って何か新しいことをするのが好きで、RABOはまさに私が求めていた環境だと感じましたね。

@iwade: 私は、2022年2月=猫の月にRABOのCat Specialistチームへカスタマーサポートとしてジョインしました。前職ではペット保険の仕事をしていて、Catlogを初めて知ったのはその頃からですね。その時はまだ猫様とは暮らしていなかったのですが、その後猫様を迎えることになり、この製品に深く関わりたいと思うようになりました。前職では健康を見守る文脈でCatlogをお客さまに推奨していたこともあり、猫様との出会いを機にRABOで働くことが自分にとって自然な流れのように感じられました。

― 新発売となった「Catlog Board 2」、おふたりから見てどうですか?

@saido: お待たせしました、という気持ちです(笑)。Catlog Board 2の開発では、今回私たちは特に通信機能の安定性の向上に注力しました。これまでのモデルで特に問い合わせが多かった通信関連の課題に対処することは、私たちにとって大きな課題でしたので。無線LANの設定速度の向上は、その一例ですね。これは使い勝手を大幅に改善した点の一つで、お客さまにも分かりやすい改良点だと思います。またデバイス自体も薄く・軽くなり、デザイン面でもより洗練された外観に生まれ変わりましたし、バッテリーの持ちも良くなりました。

@iwade: おっしゃる通り、お客さまからは特に接続に関する問題が多く寄せられていました。新しい製品が届いたのに「接続できない」という声を聞くと、本当に心が痛みました...。その解決に向けてチーム全体が一丸となって取り組んできましたので、私たちカスタマーサポートチームとしても、通信の安定性の向上は特に推しポイントです。Catlog Board 2を初めて使ったときの感動は忘れられませんね(笑)。また、細かな点ですが、持ちやすさも改善されたことで、日々の猫様のトイレの掃除など、生活サイクルにスムーズに溶け込む設計になったと感じています。

@saido: お客さまからのフィードバックを反映させるために、猫様の砂が詰まるのを防ぐ外形の設計や、電池蓋やボタンの故障に関する問題点の改善にも力を入れましたね。外形のスタイリッシュさについては、直接的なお客さまの声だけでなく、機能性とのバランスを考えながらデザイナーと密接に協力して検討した結果でもありますが、「よりトイレが安定した状態を望む」「すべりにくくしたい」といったお客さまからの要望をやはりいちばん大切にして、それらを製品に反映させることを心がけたと思います。

お客様の声が生み出すイノベーションは、Catlogの核心

― 次世代モデルではお客さまの声を取り入れることを重視したんですね!他にも何か事例などはありますか?

@iwade: お客さまからのフィードバックを積極的に取り入れた一例として、電源スイッチのデザイン変更があります。これは直接お客さまからの声を反映した点ですね。

@saido: そうですね、初代Catlog Boardでは電源のOn/Offが分かりにくいという問題がありました。この点は、私たち開発チーム内でも認識していたのですが、カスタマーサポートを通じてお客さまからの同様のフィードバックを多数いただいたことで、より明確な課題として捉えることができました。

@iwade: 実際に、電源スイッチに関する声はかなり多く寄せられていました。お問い合わせを深堀りしていく過程で、電源スイッチの使い勝手が原因でお客さまが不便を感じていることが明らかになってきたことも受けて、Catlog Board 2では電源スイッチをより使いやすく、直感的に操作できるように独立させてデザインし直しました。

― なるほど。お客さまからのフィードバックを受け取る際に最も重視しているポイントは何ですか?

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@iwade: もちろん、まずはお客さまからの「言葉」を大切にしています。でも、お客さまがおっしゃることと、実際に感じていることが必ずしも全て一致するわけではないこともあったりします。だから、私たちカスタマーサポートチームは、ただ言葉を受け取るだけではなく、一歩踏み込んで考えるようにしています。お客さまがなぜそのフィードバックをされたのか、その背景や真意を理解するために、さまざまな角度から深掘りをしていくことを心がけています。例えば、「電池の抜き差しに手数がかかる」とか「電源のオンオフなどの状態が分かりづらい」といったご意見があった時、それがどうお客さまの体験に影響しているのかをチームで議論します。私たちは日々のミーティングでこれらの議論を深めるようにしており、以前よりも対面でのミーティングを増やしたことで、より質の高い改善を迅速に行えるようになりました。

@saido: ハードウェアチームから見ても、やっぱりお客さまからのフィードバックは貴重なものですね。フィードバックをいただいた際、私はお客さまがデバイスに何を期待しているのか、またはどのような問題を抱えているのかを推測することから始めます。デバイスの動作に基づいてお客さまの思考を逆算するようなこともありますし、時には、Catlog Boardが壁に接触しているかどうか等の環境面をデータから推測することもあります。要は、大切にしているのは、すべてのフィードバックに真剣に向き合い、潜在的な問題の兆しを見逃さないようにすることですね。一見そうは思えなかったとしても「これは、ファームウェアの問題かもしれない」と考えることで、潜在的な課題に気づくきっかけとなることもありますので。

― 具体的に、お客さまからのフィードバックが製品の機能改善に直接貢献した例もあるのですか?

@saido: はい、たくさんあります!例えば「Catlog Pendant」のケースで言いますと、多くのお客さまから「充電時間が長すぎる」という声をいただきました。その際にはファームウェアとしてこの問題に取り組み、充電プロセスの効率化を図ることで充電時間の短縮を実現しました。さらに、これと合わせて充電の持ちも向上させることにも取り組み、実現しました。やはり電池に関するフィードバックは多いのですが、仮にお客さまから直接お問い合わせをいただかなかったとしても、お客さまのフィードバックをよく観察することで「これは改善したほうがいいな」と感じる点は数多く出てくるものですね。

@iwade: そうなんですよね。私自身もお客さまの一人として、@saidoさんたちが通信の安定性を含むさまざまな問題に短期間で対応してくれることには、本当に感動しています。たとえカスタマーサポートから開発チームへの「わがままな要望」のように思えることでも、私たちは遠慮なく提案できる環境があると思えます。それが結果として製品をより良くすることにつながっていたら嬉しいなと。

@saido: 実際、わがままだと思うことは全くありませんけどね(笑)。カスタマーサポートからのコミュニケーションは私たちにとってもとても貴重なものですし。どんなに小さなことでも、気軽に相談や質問をしてくれることが私たちには嬉しいですね。もちろん、すべてがファームウェアの問題というわけではありませんが、全体的な品質担保の観点から見ても、こういったコミュニケーションはやっぱり重要です。

ハードウェアとカスタマーサポートの協業が作り出す、RABO製品開発カルチャー

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― とてもスムーズな連携を感じますね!この手の協力体制は、一般的な企業においてもよくあることなのでしょうか?

@saido: そこがちょっと難しいところで、私の経験から言うと、ハードウェア開発はB2B(企業間取引)の連鎖の中で進められることも多く、お客さまとの距離感は比較的遠いものでしたね。この距離感により、情報伝達の過程で「まあ、大丈夫だろう」という認識が徐々に増えてしまい、結果として対応が遅れたり、されなかったりすることが残念ながらあったように思います。かたや、RABOでは開発プロセス全体においてコミュニケーションが非常にダイレクトです。これにより、優先順位の決定も直接的に行われますし、品質面での迅速な対応が可能になっています。この点は、RABOの開発プロセスの大きな強みだと感じています。

@iwade: 実際、私が前職で感じていたスピード感やチーム間の距離感も、RABOでは大きく異なりますね。開発チームが文字通り私の自席のすぐ後ろで作業をしているので、カスタマーサポートからの声が直接開発チームに届く距離感を日々実感しています。以前は、「カスタマーサポートの声って本当に開発チームに届いているのかな...?」と疑問に思うこともありましたが、RABOではそのような心配は無用でいられるのは本当にありがたいです。

― それは素晴らしいですね。協力体制を構築する上で、特に重要だと思われるポイントは何ですか?

@saido: シンプルですが、相手の立場に立つことなのではないかなと思います。私たちはカスタマーサポートチームの立場、そして最終的にはお客さま自身の立場をできるだけ深堀りして考えるようにしています。エンジニアとして技術的な制限も踏まえつつ、どのように説明すれば理解していただけるか、どのような案内が最適かを熟考するようなイメージでしょうか。技術的な背景を理解した上で作成された案内は、やはりお客さまにもよりご納得いただけることにもつながるのではないかなと。

@iwade: 私たちカスタマーサポートチームにとっても、開発チームがどのような思考でどんな問題に取り組んでいるかを理解することがとても重要ですね。この理解を深めることで、お客さまに対してより具体的で有用な情報を提供できますし、逆にお客さまからのポジティブなフィードバックを開発チームに伝えることで、開発チーム全体のモチベーション向上にも繋がります。チーム内でも、「一緒に作った感」を共有することによって、製品やサービスの改善に向けた団結力が高まるのだと思いますね。

@saido: まさに、カスタマーサポートチームが製品開発のプロセスに関わることは非常に重要なステップですし、プロジェクト全体の成功にも不可欠だと思います。

RABOのフィードバックサイクルは、次なる開発へと続いていく

― 少し技術的な話を教えて下さい。「Catlog Board 2」開発における最大の難点はどういったところでしたか?

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@saido: 「Catlog Board 2」の開発で最も困難だったのは、重量センサーからのデータ取得とその可視化の部分でした。特に、アナログ回路の調整は思うように進まないことが多く、第一世代のCatlog Boardで経験した問題を解消しようとすると新たな問題が発生する、というトライアンドエラーを数多く繰り返しました。温度変化による重量測定の影響を最小限に抑えるための回路設計の変更では、部品や電圧などの変更を含む電子工作を重ね、多くの実験を行いましたね。もちろんコストの制約も考慮しつつ進める必要があり、このあたりの苦労は大きかったです。解決に向けては、開発パートナー企業さんとの緊密な連携が鍵となりました。ファームウェアで修正可能な問題と、回路変更が必須の問題について役割を明確に分担し、その上でのコミュニケーションを効率化するためのツールや意識合わせの工夫を行いました。こういった、地道な品質と機能の目線を合わせる継続的な取り組みが、大きな課題を乗り越えるのに役立ったのではないかと振り返っています。

@iwade: カスタマーサポートチームとしても、このような困難を乗り越えた新製品がスムーズに投入されたことは、大きな成果だと感じていますね。製品開発の背後にある努力と成果を知ることは、私たち自身がお客さまへのサポートをより良いものにできることにもつながりますので。

― 第二世代リリース後、お客さまからいただくフィードバック等に変化はありましたか?

@iwade: やはり「つながりやすさ」と「設定のわかりやすさ」の部分ですね!ここの改善により、お客さまからのお問い合わせ数は明らかに減少しました。大切な猫様のためのお買い物ですから、お客さまは新しいデバイスを手に入れたらすぐにでも使い始めたいと思うんです。今回の改善がその期待に応えていると実感しています。また、WPA3によるセキュリティ強化も、お問い合わせの減少に貢献しました。これらの改善により、今では「Catlog Homeの次世代はいつ出るの?」といった新たな期待を寄せていただくことも増えてきています(笑)。

@saido: お客さまからのフィードバックとは少し異なるかもしれませんが、個人的に地味に嬉しかったのは、本体が軽くなったことによる物流パートナーさんからの高評価です。実際に受入検査を自社で行う中で、物流拠点の方々と多くの会話をしましたが、その際に「軽くなって運びやすくなった!」という声をいただきました(笑)

― おふたりが個人的に「Catlog」や「Catlog Board」に追加したいと考えている新機能や改善点はありますか?

@iwade: たとえば、災害時にも役立つ機能の追加などでしょうか。これは時折お客さまからいただく声でもありますが、日常生活で使っている「Catlog」が、万一の非常時にも何かしらのサポートに役立てることができないか、と考えるようなことはありますね。

@saido: お客さまから、呼吸数や心拍数の測定に対するご要望が寄せられることがあります。これらのデータをどのように取得し、どのように活用するかを、機械学習技術や獣医師との連携を通じて探求していけると面白そうだなと思いますね。もちろん、肝心の通信の安定性については、今後の「Catlog Home」や「Catlog Pendant」でも重点的に対応していきたいと考えています。新機能の開発や既存機能の改善にあたっては、お客さまからの直接のフィードバックはもちろん、技術的な見地からのアイデアも大切にしています。例えば、各部品の選定においても、コストを抑えつつ多様な機能を提供できるようなものをあらかじめ選ぶことが重要です。先ほどお話しした充電の持続時間の改善や充電時間の短縮などは、部品の使い方を工夫することで実現可能でした。このように、技術的な可能性とお客さまのニーズを融合させることは、開発の基本姿勢として重要なのではないかと考えています。

少人数だからこそ手触り感のあるものづくりを。ご興味のある方は、ぜひお話しましょう!

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― RABOのような少人数のチームでも、アウトプットを大きくしていくための工夫はありますか?

@saido: 効率的なアウトプット拡大のためには、自身の業務に対する深い内省と、それを基にした改善の継続が必要なのではないでしょうか。具体的には、自分が書いたソースコードや利用している機能について、常に「これをどう改善できるか」を考え、新しいアップデートがないかをチェックし続けるようなことですね。そして、これらの考えを周囲と積極的に共有してコミュニケーションを取りながら、常に改善策を模索していくことが大切ではないかと考えています。

@iwade: そうですね、あとは製品知識の深化にも日々注力するように心がけています。「気になることがあったらすぐに聞く!」という文化をチーム内でも徹底していて、周囲からもそのような雰囲気を支えてくれているのは本当にありがたいですね。知識は実際に手を動かして学ぶことが多いので、実際に製品を使って試すことももちろん大事です。時にはハードウェアチームから分解した製品を教材にして機能についての講義を受けることもあります(笑)。実際これが知識獲得とスキルアップに繋がり、結果的にアウトプットの質と量を広げることに貢献していると感じるので、そういったコミュニケーションはやはり大事ですね。

― それでは最後に、RABO社に興味を持ってくださる電気エンジニアに向けて、一言メッセージをお願いします!

@saido: RABOでは継続的な改善とイノベーションを心掛けていますが、これまでお話ししてきた通り、特に、カスタマーサポートチームからのフィードバックをもとに製品を改善していく文化を大切にしており、このような環境で一緒に成長していける仲間を求めています。実験を重ね、コミュニケーションを取りながら、より良い方向へと導くことができる方と一緒に仕事をしたい。ソフトウェアとハードウェア双方の良さを活かしたアジャイルな開発文化の中で、自由度の高い取り組みを楽しむことができるはずです。特にハードウェア界隈の方には、これまでにないものづくりを体験できる貴重な環境がここにはあるんじゃないかなと自負しています。

@iwade: 私たちのチームは常に次に何が生まれるか、新しいことに挑戦するワクワク感を大切にしています。RABOでの仕事は、文字通り新しい発見や成長が満載です。チームワークの重要性を理解し、一緒に新しい価値を創造していくことに興味を持つ方には、最高の場所なのではないでしょうか。

― @saidoさん、@iwadeさん、本日はありがとうございました!

RABO 電気エンジニャーの採用情報はこちらからご覧ください

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