株式会社RABO 獣医師
獣医師。救急医療を中心に従事し、災害医療にも携わる。宮崎犬猫総合病院 院長、TRVA夜間救急動物医療センター副院長を経て、現在RABOに所属。Webメディア監修、獣医師や飼い主向けセミナー講演、メディア取材などでも活動。
猫の糖尿病は、生活習慣の改善で予防できることもある病気です。普段から運動習慣や食事習慣、そして適正体重を維持することで、糖尿病のリスクを減らしましょう。 糖尿病と診断された場合、まずは食事療法や体重管理などで治療を進めていきます。インスリン注射が必要となることもありますが、なるべく避けたいですよね。 今回は、糖尿病の原因や症状について詳しくお伝えします。具体的な治療法や対策など、ぜひ愛猫の健康管理に役立ててください。
監修した専門家
株式会社RABO 獣医師
獣医師。救急医療を中心に従事し、災害医療にも携わる。宮崎犬猫総合病院 院長、TRVA夜間救急動物医療センター副院長を経て、現在RABOに所属。Webメディア監修、獣医師や飼い主向けセミナー講演、メディア取材などでも活動。
猫の糖尿病の症状は、病気の進行度合いによって異なります。主に以下のような症状が見られます。
<糖尿病の症状>
初期に多い症状
多飲多尿
食欲増加
食欲不振
進行してから出やすい症状(初期~末期)
下痢や嘔吐
ふらつき
かかとをつけた歩き方
病状を悪化させないためにも、糖尿病はなるべく早い段階で症状に気付いてあげることが大切です。まずは、猫の糖尿病の主な症状について詳しくみていきましょう。
糖尿病の猫の初期症状には、多飲多尿・食欲増加・食欲不振の3つが挙げられます。 「多飲多尿」の症状が現れるのは、身体で利用できない血中の余分な糖が、尿中に出て行くときに水分を一緒に持っていってしまうためです。結果的に尿量が増え、脱水症状が起こり飲水量が多くなります。 「食欲増加」は、血糖を十分に栄養として取り込むことができないために起こる症状です。いくら血液に糖があっても身体(細胞)には取り込まれないため、ちゃんと食べているはずなのに身体は「飢餓状態」のように感じてしまい、結果的に食欲が増幅されます。
一方で、いくら食べても身体のエネルギー不足は解決していないため、食欲があるのに痩せていくといった症状がみられます。この時期は比較的元気なため、特に肥満気味の猫の場合は症状に気付きにくいケースもあるでしょう。 病状が徐々に進行すると元気がなくなり「食欲不振」といった症状が現れます。エネルギーが足りない状態が続き、やつれてきたり、毛並みが悪くなるといった変化も見られます。
糖尿病が放置され、高血糖状態が持続して末期(重症化)になると、下痢や嘔吐のほか、ふらつき、かかとをつけて歩くといった目に見えた変化が現れます。これらの症状がみられる場合、かなり症状が進行している可能性があるため注意が必要です。 あきらかにグッタリしていて、嘔吐や意識レベルの低下などが見られる場合には「糖尿病性ケトアシドーシス」という状態である可能性があります。早期に入院し、集中的な治療をおこなわなければいけません。急いで動物病院を受診し、獣医師の判断を仰ぎましょう。
下痢については、下記記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
エネルギー源として糖を利用できない状態が続くと、身体は糖の代わりに、緊急措置として脂肪を分解して利用しようとします。この過程で有害な「ケトン体」という物質が作られ、これが身体を酸性に傾かせます。このようにして、ケトン体により身体が急激かつ極度に酸性に傾いた状態をケトアシドーシスといいます。 アシドーシス(acid=酸)の状態はそれだけでも緊急を要する状態ですが、さらに糖尿病により血糖値が高すぎるため、身体(細胞)の水分は血液を薄めるために血管の中に奪われてしまい、ひどく脱水が起こります。 そのため、糖尿病性ケトアシドーシスと診断された場合は、集中治療が必要となります。点滴による脱水の改善と、インスリンの投与による血糖値の低下(細胞に糖を取り込む)を行う必要があり、入院管理が必須です。吐き気を伴うケースも多く、必要に応じて制吐剤や抗菌薬が投与されます。 糖尿病が非常に悪化した状態であり、治療が遅れれば昏睡状態になってしまうケースや死亡するケースも多くあります。早期に適切な治療をおこなえばその後の改善が見込まれますが、これらの症状が疑われる場合は(できればこうなる前に)早急に受診することが重要です。
猫の糖尿病は、治る(厳密には寛解する)可能性のある病気です。犬は1型糖尿病といって、そもそもインスリンが分泌できないタイプの糖尿病がほとんどですが、猫は2型糖尿病が多く、この場合は寛解できることがあります。
寛解(かんかい)とは、病気が完治した「治癒(ちゆ)状態」ではありませんが、病気による症状や検査異常が消失した状態のことを指します。
猫の糖尿病治療では、食事療法や生活習慣の改善により、体内で分泌されるインスリンの効果が回復してくることがあります。病状が回復したあとも、定期検査をしながら状態を管理することが糖尿病治療の大切なポイントです。 もし、糖尿病と診断されても、根気強く付き合っていくことで希望が見えてくることもありますので、前向きに改善に向けて取り組みましょう。
出典元:たかつきユア動物病院「【獣医師監修】猫の糖尿病は治療しなくても大丈夫??」
猫の糖尿病の主な治療法には、体重管理や食事療法、インスリン注射などが挙げられます。特に、体重管理は重要な治療法です。発見が早い場合、体重管理と食事療法で症状や血糖値が改善する可能性があります。 また、糖尿病は他の病気を併発しているケースが多い病気です。この場合、他の疾患も含めた治療が必要になります。
猫で多いのは肥満によりインスリンが効きにくくなり(インスリン抵抗性)、高血糖が続いてしまうタイプの糖尿病です。 肥満を改善することで自前のインスリンが効くようになり、注射によるインスリンを使わなくても血糖値を正常範囲に維持できることもあります。まずは体重・体格を適正にすることを心がけましょう。 糖尿病の予防においても、肥満にならないことが最も重要かつ効果的であると言えます。では、猫の体重や体格も含めた適正とされる体型について詳しく説明していきます。
猫は個体差があるため、体重だけでは肥満度を計ることができません。そのため、猫の体型チェックに獣医師などが用いるのが「ボディ・コンディション・スコア(BCS)」です。やせ型の1から重度肥満の9まで、猫の体型と脂肪の付き具合を9段階で評価します。
太りぎみにあたるBCS6の猫の体型は、上から見たときの腰のくびれがあまりはっきりしていない状態です。太っていると評価される7~9になると、肋骨が脂肪に覆われ触れなくなってきます。 適正とされる猫の体型は、上から見たときの腰のくびれが明らかで、肋骨は見えないものの簡単に触れられる状態です。
時間をかけ徐々に体重が増えている場合、猫の肥満を見逃してしまう可能性があります。糖尿病をはじめ、変形性関節症や尿路疾患などのリスクを軽減するためにも、日頃から猫とスキンシップをはかりながら適正体重・体型のキープを心がけましょう。
猫の糖尿病治療では、食事療法も大切です。具体的には、高タンパク・低脂肪・低炭水化物を意識した食事を摂取する必要があります。このため、ほとんどの糖尿病治療では「食事療法食」が処方されます。
糖尿病の療法食のポイント
高タンパク質
低炭水化物
(肥満の場合は)減量に適した低カロリー
動物性タンパク質は筋肉を作る材料であり、猫にとって重要なエネルギー源です。糖尿病治療では、タンパク質を摂取できる食事内容が大切です。 また、脂肪分も減らすことがのぞまれます。脂肪はインスリンの効き目を悪化させるため、適正体重をキープ(または適正体重に減量)することが求められます。さらに、炭水化物は急な血糖値上昇を引き起こすため、炭水化物も控えめに作られていることが多いです。本来、肉食動物である猫には炭水化物はあまり必要ではなく、糖尿病治療においても、低炭水化物を意識した食事が大切です。
食事療法においては、獣医師が提案する療法食を選択することが重要です。療法食の種類も多いため、最も効果が期待できるものを選択してくれるはずです。もちろん糖尿病の療法食であれば幾らでも食べていいわけではなく、適正体重をキープするための摂取量が大事です。
糖尿病は、血糖を細胞内に取り込む働きを担うインスリンが「効きにくい」か、「不足している」状態です。慢性的にインスリンが不足している場合や、高血糖による症状が見られるような場合には、注射で外部からインスリンを足し、血糖値を正常範囲にコントロールする必要があります。
基本的に、インスリン注射は1日1~2回、毎日投与する必要があります(場合によってはもっと間隔が長い場合もあります)。投与にあたっては、動物病院に数日入院するなどして、最適な投与スケジュールと投与量を検討したのち、自宅での管理に移行します。もちろん、家庭で注射できるように獣医師の指導のもとで注射の練習をおこないます。
その後は獣医師と相談しながら、インスリン量の微調整をおこなっていきます。動物病院での血液検査が血糖値のモニタリングの中心ですが、自宅では試験紙に尿を染み込ませて、尿中の糖の量を調べ る方法もあります。
ただし、尿糖の検査は「血糖値が正常値をはるかに超えて高い」ということしかわかりません。自宅で最も注意すべき低血糖状態は尿試験紙では判断できないため、ふらつきや痙攣などの症状には十分注意してください。 低血糖になって適切な処置が遅れると、生死にかかわります。自宅でのインスリン注射を開始するときは、低血糖時の対応も含め、獣医師によく確認しておくことが大切です。
もう少し具体的にインスリン治療について知りたい方は、次章の「インスリン治療について」を参考にしてみてください。
猫の糖尿病治療では、多くの場合は食事療法とインスリン治療が選択されますが、経口薬が処方されることもあります。 経口血糖降下剤といって、注射ではなく、飲むことで血糖値を下げる薬です。薬の種類はいくつかあり、インスリンをたくさんだす役割の薬や、インスリンを取り込みやすくする役割の薬などがあります。
また、糖尿病と診断される猫のなかには、他の病気を併発しているケースが見られます。具体的な疾患は、腎臓病、口内炎、下部尿路疾患などです。 この場合、歯周病コントロールや感染治療などを平行して治療を進 めていくことになるでしょう。
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体重管理や原因となる疾患の治療をしても血糖値が改善せず、高血糖による症状が見られる場合などは、インスリン治療が必要となります。ただし、毎日自宅で注射する労力や猫への負担、金銭的なコストに加えて、一度インスリン治療を始めるとなかなか離脱することが難しくなるなど、デメリットが多いのも事実です。
なかでも最も注意すべきは「低血糖になるリスク」です。インスリンの投与量を間違えたり(規定より 多く打ってしまった場合)、食事を食べていないのにインスリンを投与してしまった場合には低血糖に陥って危険な状態になる可能性があり、取り扱いには十分注意が必要です。
危険を伴うインスリン治療は、基本的に最後の手段ですが、高血糖の程度や全身状態(緊急性)などを考慮してすぐに使うべきケースもあります。このセクションでは具体的なインスリン治療の方法や注意点などについてご紹介します。
インスリン治療が検討されるのは、血糖値が持続的に高い状態です。かつ、ほかにさまざまな治療を行っても血糖値が下がらない場合に選択されることが多いです。
加えて、前述したケトアシドーシスのように状態が悪く、緊急性を要する場合はより早期にインスリン治療が行われます。
肥満が原因だったり、膵炎などの他疾患の治療で回復が見込まれたりする場合は、食事療法や他の治療が優先されます。 血糖値が一定のレベル(簡易的には、尿糖が出ていないレベル)にコントロールできている場合も同様です。食事療法や体重管理により糖尿病治療を進めつつ、インスリンの投与量を減らしていき、可能ならば離脱を目指します。
糖尿病治療におけるインスリン投与は、以下の手順でおこないます。こちらも参考にしながら、獣医師の指示に従って適切に投与してください。
冷蔵庫からインスリンを出す
やさしく混和する(衝撃に注意)
【重要】 注射器を用意し規定量を吸う
猫の背中の皮下に注射する
インスリンは、冷蔵保管が基本です。とてもデリケートな薬剤ですので、遮光の必要性の有無や使用期間もあらかじめ確認しておきましょう。使用前は十分に混和する必要がありますが、激しく振るとインスリンが効果を失ってしまうため注意してください。具体的には、容器をゆっくりと上下逆さまにし、インスリンを均一に混ぜていきます。
その後は用意しておいた注射器を使用し、インスリンを吸い上げます。わずかな量の違いで効果が変わってしまうため、規定量をしっかりと確認しましょう。 また針はとても細く曲がりやすいので注意してください。インスリンを過剰に投与して低血糖状態がおこると生死に関わる危険性があるので、「失敗したかな?念のためにもう1回…」はゼッタイにNGです。
インスリンを打つ場所は、猫の背中の皮下です。針はとても細いので痛みは比較的少ないですが、場所は少しずつ変えてあげましょう。くれぐれもご自身の指を刺さないように注意してくださいね。
糖尿病治療では、血糖値を一定の範囲にコントロールすることが重要です。定期検査で獣医師の診断を仰ぐことはもちろん、家庭でも尿糖の有無や体重を確認できるといいですね。きちんとご飯を食べたかも低血糖の予防に重要なので、しっかり確認しましょう。
長期的な血糖コントロールに有効なのが、「糖化アルブミン」や「フルクトサミン」といった血液検査項目です。 これらの数値と体重管理を組み合わせれば、維持期の場合、採血の頻度を減らせる(2~3週間に1回程度)というメリットがあります。また猫は通院して興奮することで血糖値が一時的に上昇することがありますが、糖化アルブミンやフルクトサミンはこの影響を受けません。2~3週間の治療の成否を把握できるので、おおまかなインスリン量のコントロールにも繋げられます。
インスリンの薬剤の価格は、1カ月あたり3,000~8,000円です。また、注射器代として別途6,000円程度がかかります。 インスリン治療開始後は定期的な血液検査が不可欠です。通院の都度血糖値を測定し、適切な量を見極めていきます。その際は検査料として、およそ7,000-10,000円程度が見込まれます。
インスリン治療時にもっとも注意が必要なことは低血糖の症状です。「メメント」という映画をご存知ですか? 10分前の出来事を忘れてしまう特殊な健忘症を描いた作品ですが、この中で、10分前に打ったインスリン注射のことを忘れ、何度も注射して亡くなってしまうというシーンが登場します。
このように、インスリンは強力な血糖値低下効果があり、血糖値は生命維持に非常に重要なものです。低血糖の具体的な症状は、ふらつき、食欲低下、流涎(よだれ)などです。ひどくなると、意識混濁や痙攣(けいれん)などの症状が現れます。 低血糖は処置が遅れると生死に関わる緊急状態です。猫に直接インスリンを投与する治療では、常に低血糖症を起こす可能性があります。万が一の対処法は、あらかじめ獣医師にしっかりと確認しておきましょう。
猫が低血糖に陥りやすくなる状況を事前に知っておくことで、対策を打てたり慌てずに対応できたりするので、下記の5つの状況を確認しておきましょう。
効果増を期待し、インスリン投与量を増やしたタイミング
新しいインスリンボトルに交換したタイミング
長期間血糖値を確認せずに投与を続けた場合
不注意で、インスリンを多く吸引してしまった場合
複数回注射してしまった場合(家族で情報共有ができていない、など)
インスリンを打ち忘れてしまった場合は、かかりつけの獣医師に連絡し、指示を仰いでください。「朝忘れたので、夕方に2回(あるいは2倍の量)打つ」などは絶対にやめてください。 インスリンの量を間違えてしまったときの対処法についても、あらかじめ獣医師に確認しておくと良いでしょう。
猫の糖尿病は、食事管理などでインスリンを離脱できる場合もあります。
特に、肥満や生活習慣、ストレス が原因の糖尿病の場合は、減量や食事療法による症状の改善が見込まれます。療法食によって食後の血糖値の変動を抑えることも、治療においてはプラスに働きます。治療が早いほど改善の可能性が高まるため、糖尿病の症状がみられる場合は早めの受診を心がけましょう。
猫の糖尿病を引き起こす主な原因は、以下のとおりです。
インスリンの分泌に関わる要因
肥満
食事
ストレス
肥満や食事、ストレスなどによる糖尿病は、飼い主が気を付けることでリスクを軽減できます。また、インスリンの分泌に関わる要因として挙げられるのは膵炎などの疾患です。原因により治療方法も異なるため、糖尿病を引き起こす要因についてしっかりと把握しておきましょう。
そもそも糖尿病は、インスリンの働きが不足し、血液中の糖が細胞内に取り込めなくなることで起こる病気です。血液中の余分な糖が尿の中に出てくるため「糖尿病」と呼ばれます。
インスリンの働きが不足 する原因は2つあります。ひとつは、膵臓から分泌されるインスリンが不足すること。もうひとつは、インスリンが効きづらくなってしまうことです。 インスリン抵抗性ともいい、身体のインスリンに対する反応が悪くなることを意味します。人の医学で1型糖尿病と呼ばれるのが前者、2型糖尿病と呼ばれるのが後者です。
犬では1型糖尿病が多いのに対し、猫は2型糖尿病が多いとされています。膵炎をはじめ、肥満やストレスといったインスリン分泌に関わる要因が、インスリン抵抗性の状態を生み出し、糖尿病の症状を誘発させます。
膵炎は、猫でも多い病気です。激しい嘔吐や食欲不振などの症状が現れることもあれば、無症状のケースもあります。
膵炎にかかると、本来膵臓から分泌されるはずのインスリンが作られなくなることがあります。結果、体内でインスリン不足が起こり糖尿病につながるというわけです。
膵炎を併発している場合は、病状に合わせた治療を検討する必要があります。高齢猫の場合は定期的に健康診断をおこない、嘔吐や食欲不振といった症状にも注意 が必要です。糖尿病とともに早期発見、早期治療を目指しましょう。
その他の要因として挙げられるのが、以下のような持続的な炎症や激しい炎症です。
口内炎
胆管炎
急性膵炎
皮膚炎 など
また、長期間のステロイドの利用もインスリン分泌に影響を与えるといわれています。
肥満の猫は、そうでない猫の4倍以上も糖尿病になりやすいとのデータもあります。インスリンが正常に分泌されていたとしても、効きが悪く高血糖の状態が続いてしまうからです。そのため、糖尿病予防や治療では体重管理がとても重要になります。
特に、去勢をした中~高齢のオスは注意が必要です。体重が増えやすく、肥満による糖尿病のリスクも高まります。また、肥満になると関節疾患や便秘、肝リピドーシスなど、他疾患のリスクも高まります。
肥満を予防するには、適正な量のフードをあげること、毎 日猫とスキンシップをしながら確認することはもちろん、定期的な体重測定も心がけてください。特に、ゆっくりと体重が増減している場合は、見た目だけでは変化に気づきにくいものです。 例え100gの変化でも、人間に換算すれば1kg前後に相当します。動物病院での健康診断のほか、自宅でも体重を計ることが習慣づけられるといいですね。
食事が直接的な要因になるというよりは、食事による肥満が多いです。
炭水化物の割合の多い食事は、猫の糖尿病を引き起こす原因になります。そもそも、猫は肉食動物であり、炭水化物を栄養源とする人や犬とは糖の代謝経路が異なるため、基本的に総合栄養食のフード以外に、炭水化物をあげる必要はありません。
ついついあげたくなってしまうおやつも、量と内容には注意が必要です。過剰にあげてしまうと、栄養バランスが崩れ肥満につながる可能性があります。
理想のおやつの分量は、1日に必要な摂取カロリーの10~20%程度です。3~5kgの猫であれば、約45~70kcal程度を意識しながら、あげるようにしましょう。
長期的なストレスも猫の糖尿病を引き起こす原因のひとつです。ストレスがかかると、血糖値が上昇します(余談ですが、動物病院で興奮状態の猫の血液検査をすると、糖尿病でもないのに血糖値が高く測定されるのは、このためです)。
ストレスだけが糖尿病の要因になるものではありませんが、できるだけ避けるのが望ましいです。
猫のストレスをゼロにするのは難しいですが、原因を解消することはもちろん、リラックスして過ごせる環境を整えてあげることが大切です。元気がなかったり食べ物を吐いたりなど、ストレスか病気か判断しかねる症状がみられる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
関連記事:「猫のストレス解消方法|ストレスサインや原因についても解説」
ここからは、糖尿病でよくある以下の2つの質問にお答えします。
糖尿病の猫にチュールをあげても大丈夫?
猫の糖尿病を治療しないという選択肢もある?
糖尿病になると、猫の食事の管理には一段と気を使うものではないでしょうか。猫本人のことを考え治療法に悩むことも多いかもしれません。
不安なことや心配事はぜひ主治医に相談してみてください。獣医師と飼い主がひとつになり、納得いく治療をおこなうことが愛猫の早期回復につながります。
「ちゅーる」をはじめとする猫のおやつは、体重管理をしつつ与えることが重要です。糖尿病の猫の場合、あくまでも療法食が基本となります。あげるとすぐに体調が崩れる、とまでは言えませんが、高血糖の程度やケトアシドーシスの有無によっても状況は変わってくるでしょう。
とはいえ、ねこにおやつをあげる時間は、猫にとっても飼い主にとっても大切な時間ですよね。どうしてもあげたい場合は、かかりつけの獣医師に相談し、量やタイミングなど指導を仰ぐのがおすすめです。
猫の糖尿病は基本的に自然治癒することを期待すべきではありません。糖尿病と診断されたら、必要に応じた治療を検討しましょう。
一方で、インスリンのような薬を使わずとも、食事療法や体重管理で改善することもあります。インスリン治療が必要になった場合も、食事療法や体重管理と組み合わせることでインスリンの量を減らしたり、離脱したりといった可能性もあります。
糖尿病は、食べ物からのエネルギーを身体に取り込めず、栄養失調と同じ状態になってしまう病気です。症状が進行すると、命に係わる危険性があります。 いつもより水を飲む量やおしっこの量が多かったり、食欲が落ちたりなど、異変がみられる場合は早めに動物病院を受診しましょう。早い段階で糖尿病と診断されれば、そのぶん猫本人の治療負担も軽減されます。
また、猫の糖尿病には膵炎をはじめとする他の病気が隠れている場合もあります。愛猫の健康のためにも、糖尿病にかぎらず早めに獣医師に相談し治療方針を検討するのがおすすめです。
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ライター
猫様のいる暮らし編集部
2匹の猫様と一緒に暮らしています。無防備になったお腹に顔をうずめ、猫吸いをさせていただくのが至福の時間。 猫様との暮らしにまつわる情報をお届けします。