株式会社RABO 獣医師
獣医師。救急医療を中心に従事し、災害医療にも携わる。宮崎犬猫総合病院 院長、TRVA夜間救急動物医療センター副院長を経て、現在RABOに所属。Webメディア監修、獣医師や飼い主向けセミナー講演、メディア取材などでも活動。
猫の体温は、人間の平熱よりも少し高いことを知っていますか?日頃から平熱を知っておけば、発熱していることにも気がつけます。体調の変化に素早く対応するには、元気な状態を把握しておくことが大切です。本記事では、猫の平熱や体温の測り方などを解説します。
<この記事のまとめ>
猫の体温は38-39℃(ただし直腸温)
熱があるときの原因は、感染症や全身の炎症反応など
熱の測り方は、人間の体温計でOK
触れてわかるくらいの熱は、発熱の可能性が高い
監修した専門家
株式会社RABO 獣医師
獣医師。救急医療を中心に従事し、災害医療にも携わる。宮崎犬猫総合病院 院長、TRVA夜間救急動物医療センター副院長を経て、現在RABOに所属。Webメディア監修、獣医師や飼い主向けセミナー講演、メディア取材などでも活動。
動物病院勤務 獣医師
獣医師。公務員獣医師として家畜防疫、牛の改良繁殖に携わる。その後はアミカペットクリニック、アカデメイア動物病院にて小動物臨床に従事。株式会社RABOにてWebコンテンツの監修も行っている。
猫を含め、多くの動物は全身が毛で覆われています。そのため、体温の変化に気づきにくく、病気の早期発見ができないこともあります。また、人間の体温と比べて平熱が高いことも、体調不良を見過ごしてしまう要因です。体調不良に素早く気づいてあげるためには、日頃から健康状態をチェックしておくことはもちろん、猫の 平熱を知っておくことも重要です。
猫の平熱は、人間よりも高く「38~39℃前後」とされています。もともとの体温が高いため、発熱時には40℃ほどになることも珍しくありません。また38~39℃というのはお尻から体温計を入れて「直腸」で測った場合の平熱です。自宅で直腸温の計測をすることは難しいため、そのような場合には脇など、毎回同じ場所で計測することで平熱を把握できます。
猫が発熱しているときは大抵、体温の上昇以外の症状も現れていると考えられます。例えば食欲不振や呼吸の乱れなどです。また寝ている時間が増えることや、普段は行かない場所に隠れて出てこなかったり、起きていてもどこかぼーっとしていることなども、体調不良のサインといえます。
猫の体温が平熱よりも高い場合、どのような対応をすることが望ましいのでしょうか。猫が発熱するときは、感染症である可能性も高く、ごくまれですが人間にも感染してしまうケースがあります。すぐに、近くの動物病院へ連れて行ってあげましょう。
診察をスムーズにするためには、発熱以外にも「呼吸」「食欲」「下痢」「嘔吐」「鼻水」「歩き方(関節炎でも発熱することがあるため)」などのポイントをよく観察しておきましょう。
中でも「食欲」については、観察して正確に把握するのは難しいですよね。首輪型デバイスのCatlog(キャトログ)は、自動で食事の量や回数を計測することができるためおすすめです。Catlogを使えば、猫の行動を24時間365日記録しておくことができます。
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体が濡れることや病気、低血糖など、さまざまな原因から、平熱よりも体温が低くなってしまう場合もあります。
基本的にはそれほど多いものではありませんが、猫の体温が平常時よりも低い場合も注意しましょう。まずは毛布で包む、暖かい部屋にうつすなどで、体を温めてあげ、動物病院へ連れて行きましょう。
猫が発熱するときには、病気が原因となっている可能性が高いです。考えられる主な病気には「感染症」「炎症による病気」「熱中症」「腫瘍」などが挙げられます。
いずれの病気も、放置して悪化することで、猫の命を危険に晒してしまう危険があるものです。それぞれについて、具体的な病名や症状なども含めて解説するので、参考にしてください。
細菌やウイルス、寄生虫などの病原体によって感染症を起こしている場合、発熱などの症状がみられることがあります。発熱がみられる感染症の一部をご紹介します。
猫白血病ウイルス感染症(FeLV;猫白血病)
猫免疫不全ウイルス感染症(FIV;猫エイズ)
感染性肺炎、気管支炎
感染性腸炎
敗血症
腎盂腎炎
猫伝染性腹膜炎(FIP)
発熱が見られたからといって、すぐにこれらの病気であると特定できるわけではありません。くしゃみや鼻水等の呼吸器症状、下痢や嘔吐といった消化器症状など、症状がどこに現れているかによって検査をすすめ、原因を絞り込んでいくことになります。 特に、外へ出る猫は室内飼いに比べて感染の機会が多いため、要注意です。
ワクチン接種を受けずに感染すると重篤な症状を呈するヘルペスウイルス、カリシウイルス、パルボウイルスや、主に外で暮らす猫との接触により感染する猫白血病ウイルス、猫免疫不全ウイルス(通称:猫エイズウイルス)などには注意が必要です。 これらの感染を防ぐために、しっかりとワクチン接種を受けましょう。
また他の猫とのケンカによって傷を負った場合、傷口が化膿して発熱することもあります。
ケンカをしやすい猫では割とよくあることで、「膿瘍(のうよう)」といいます。猫の爪や歯は尖っているので、ケンカをしたときに小さな穴が開きます。その穴は小さいためすぐに塞がりますが、内部には菌が残るので、膿が溜まってしまうことで膿瘍となり、やがて発熱します。
外に出るということは、常にこのようなリスクに晒されているということを理解し、猫に異常がないかを一層注意して観察する必要があります。
毒物、異物、刺激、自己免疫性疾患などによって炎症を起こしている場合にも、発熱が見られることがあります。猫の体を守るはずの免疫が、過剰に反応することにより炎症を起こし、発熱し てしまうのです。代表的な病気には、以下のようなものがあります。
急性肝炎
中毒性肝障害
腹膜炎
膵炎
胸膜炎
血管炎
食道炎
炎症性腸炎
多発性関節炎
これらの病気も発熱だけでは特定できません。食欲や嘔吐の有無、呼吸が苦しそう、抱っこを嫌がるなど、普段と違うところを見つけましょう。いつから始まった症状なのか、変わったこと(フード、住環境、誤食など)が無かったか等の情報も整理しておき、獣医師に説明しましょう。
最後に書いた関節炎は、猫でとても多い病気の一つです。発熱することも多いのですが、特徴的な症状が出ない場合は色々な検査をしても発熱の理由がわからないこともあり(不明熱と言われる)、関節を触ってみたらやっとわかった、というケースもあります。
人や犬に比べてそれほど多くないものの、気温や湿度の高い場所に長時間いることで、熱中症を起こすことがあります。また、ただ気温の高い場所にいるだけでなく、水分補給ができていないことなども、熱中症に繋 がります。
場合によっては体温が41℃を超えることもあります。早期に適切な治療ができなければ、高熱に苦しむだけでなく、臓器に障害などを起こす可能性もあります。大事に至る前に、速やかに動物病院で診察を受けましょう。
ベランダへの締め出しや車への閉じ込め、エアコンの故障など、明らかに熱中症が疑われるときは、とにかく熱を下げることが重要です。体を水で濡らして風を当てるなど、体温を下げる工夫をしながら動物病院へ向かいましょう。保冷剤などを使う場合はタオルでくるんで、脇や股にはさみましょう。
ただし、急激に冷やすことはNGです。氷水につける、保冷剤を直接当てるといった処置では体の表面の血管が収縮してしまい、逆効果になる恐れがあります。
腫瘍の影響で発熱するケースもあり、「腫瘍熱」とも呼ばれます。転移するタイプの腫瘍(悪性腫瘍)の場合は発熱が起こりやすいとされています。高齢である場合や、既に悪性腫瘍と診断されている場合には腫瘍熱の可能性が疑われますが、免疫力の低下による感染や誤嚥性肺炎などの可能性もあります。自分で判断せず、動物病院を受診しましょう。
薬による副作用で発熱するケースがまれに見られます。薬剤熱とも呼ばれ、事前に予測することが難しく、また診断も他の病気が見つからないこと、薬を中止して熱が下がることなどから推測されます。薬を飲み始めて数日で発熱することもあれば、数週間飲んでから発熱するケースもあるようです。新しい薬を飲み始めたときは、しばらく体調の変化に注意しましょう。
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ここまで、猫の体温が平熱よりも高い場合や低い場合について解説しました。しかし、平熱にも個体差があります。まずは正常な体温を知っておくために、猫の体温の測り方について解説します。
猫の体温を測るために、体温計を用意しましょう。人間用の体温計を使ってもOKですが、できればペット用の体温計の方が安心です。
なぜなら、猫の体温を正確に測るためには、お尻での計測(直腸温)がベターであるため、先端が柔らかくなっているペット用の体温計のほうがより安全に測ることができるのです。
お尻での測定を嫌がる場合もあり、万が一暴れてしまったときでも、先端が柔らかなものであれば、猫の体を傷つけてしまう心配が少ないはずです。
毛布などを用意するのもおすすめです。体温を測 る際の違和感を少しでも減らすために、(いやがらなければ)毛布で包んで安心させてあげるのも良いですね。
理想はお尻での計測です。以下の手順を参考にしてください。
猫を立たせるか、伏せの状態にする
体温計の計測部分にサラダ油などをつける
利き手に体温計、反対の手で猫の尻尾をもつ(少ししっぽを持ち上げるイメージ)
肛門を確認したら、ゆっくりと体温計を2-3cmほど入れる
体温が計測できていることを確認し、尻尾を下ろす
計測完了の合図があるまで待つ
わきでは正確な体温を測ることはできませんが、平熱を知り推移を確かめられるという点では重要です。猫を触った時「あれ、熱かな」と思った時には、同じくわきで測って比べてみましょう。また、お尻ほど嫌がらないというのもポイントです。
猫を伏せの状態にする
曲がった腕の部分から脇に体温計をすべりこませる
体温が計測できていることを確認する
計測完了の合図があるまで待つ
近年では、耳で体温を測る体温計も販売されていますが、耳から正確に体温を測るには少しコツが必要となります。しかしお尻で測るよりも手軽なうえ、短時間で測定できるため、日頃から練習しておくと良いですね。
毎日体温を測っていれば、猫の体調の異変にも早めに気づけるかもしれません。とはいえ、忙しくてなかなかできないという方も多いはず。そんなときには、見るべきポイントをおさえて観察したり、少し触ったりするだけでも、ある程度のチェックはできます。本章では、猫が発熱しているか否かの見分け方について、触って確認すべき場所や見るべきポイントを解説します。
体温計測まではしなくても、毎日猫に 触れていれば発熱したことがわかる場合も多いです。人間の親子でもおでこを触って、熱がありそうなら体温を測るということもよくありますよね。猫でも、触ってわかるくらいの熱さがあれば、発熱している可能性は高いです。
猫は全身を毛で覆われているため、皮膚の温度を直接感じづらいですよね。しかし、猫の体にも人間の額のような役割を担う場所があります。それが「耳」と「肉球」です。
猫は耳や肉球から熱を放出しているため、この部分に触れることで、手軽に体温を確認できます。日頃から耳や肉球に触れておくと、より体温の変化に気づき安くなるでしょう。お腹の毛が薄い部分でも熱を感じやすいでしょう。普段からスキンシップも兼ねて、嫌がらない程度に触っておきましょう。
前述したように猫が発熱する場合は、体温が上昇しているだけでなく、その他の症状も現れるケースが多いです。これは人間が発熱しているときに、倦怠感があったり食欲不振に陥ったりするのと同じです。
熱っぽいなと感じたときは、「どこか元気がない」「あまりご飯を食べてくれない」「心拍数が早い」「呼吸が荒い」「痛がる」などの症状がないか、チェックしてみましょう。
病気の種類はもちろん、持病の有無や年齢などによっても症状は異なります。最も重要なことは、元気な状態をよく知っておくこと。猫の健康状態を管理するためにおすすめなのが首輪型デバイスのCatlog(キャトログ)です。Catlogを使えば、猫の行動を24時間365日記録しておくことができます。
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毎日のコンディションを数値で把握できるため、発熱したときに起こりやすい元気の有無も気づくきっかけになるはずです。
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